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2014年6月16日 (月)

『なぜ、猫とつきあうのか』吉本隆明 株式会社 星雲社

1995年に発売された、インタヴュー集。

1987年より1993年、即ち、吉本63歳より69歳までの、インタヴューに
こたえたものである。

吉本隆明が猫について語っている、とは言え、そこは詩人であり、
思想家の吉本ならではの洞察力が至るところに顔を見せる。

*「吉本さんは動物も植物もだいたい等しくお好きですか?」

  吉本談  動物と植物とどっちが好きだっていったら、植物の方が
        好きです。でも、これもいいかげんで、好きだったら世話して
        まで育てるかっていうと、いまのところはちょっとそこまではやれないです。
        そこまでやるには、どうもこの社会と全面的に和解していないと、
        いけないような気がするんです。


ね、こうなんだ。「この社会と全面的に和解」なんて、わたしは考えてもなかった。
何しろ、このわたしときたら、植物が好きだしねぇ。



そんなこんなで、この「猫」の本は、猫を素材にして、縦横無尽に会話が広がる。
聞き手から、短歌が切り出された時は、おっ、と思った。
読売新聞の短歌欄で土屋文明が特選に選んだ歌「前の猫と同じ名前をまたつけて
同じ毛色の猫をまた飼う」。


    吉本談 こっちの勝手でもって親密関係を結べるみたいなところがいちばん
          いいような気がします。猫のことを察してやらなくても親愛感というのは、
          結べるということが、いちばん猫を飼っている意味みたいな気がします。

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