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2014年6月24日 (火)

『介護はつらいよ』 大島一洋  小学館

定年退職した63歳の私(著者・一洋)が、東京に妻子を残し単身、

93歳と88歳の両親を介護するために田舎暮らしをする7年半の記録である。

帯に「壮絶だけどなぜか明るい小説のような実録」と、書かれていたが、
厳格(頑固)な父とひょうきんな母との会話が介護にありがちな暗さや
鬱陶しさを払拭しているのは確かだ。しかし、これとて、当事者(介護する者)に
とって、笑える時間というのは限られていたことだろう。

集中、かなり詳細に金銭に関わることまで記されているのは参考になる。
たとえば、葬儀費用・香典の額・寺への志納金・戒名料など。
老人ホームの料金など、やはり、事前に調べておかないと、年金だけでは
賄えない場合もある。

そして、何より感心したのは、息子である著者が母親の下(しも)の世話までしたと
いうことである。口で言うのはたやすいが、なかなかここまでは出来ない。

わがやも連れ合いは長男だが、母の介護おむつやパッドの交換などしたことは、無い。
照れがあるのか、出来ないようだ。お正月とお盆には施設から母を引き取るが、夜中の
下(しも)の世話は、全て嫁であるわたし任せである。

ただ、この本で残念に思ったのは、両親が85歳を過ぎた頃からでも、老人ホームや
施設などの下見・予約をしておくべきだったと思う。介護には事前の準備がかなり
必要であろう。

わがやの場合は、キャンセルを覚悟の上で「いつかその日」が来るであろうことを
予測して、下見や見学をした上で、4箇所に予約申し込みをしていたことだ。
その4件も57人待ちとか、いつ入れるか分らない状態だった。父が亡くなって、
認知症が進んだ母。体調を崩し、公立病院に入院。退院と同時にグループホームに
入れたのは、予約しておいた1件が功を奏した。あやうい綱渡り状態だった。

ともあれ、介護はつらい。介護は疲れるだろう。
期限が限定でないだけに、一人で背負いこまないことだ。


著者、大島一洋(おおしま いちよう)さんに「お疲れさまです」と、ねぎらいたい。
ちなみに、歌人の大島史洋(おおしま しよう)さんの兄君である。

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