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2014年7月31日 (木)

季刊 午前   創刊50号 特別記念号

詩と小説の同人雑誌。同人は、脇川郁也他21名。特別同人が岸本みか他2名

特別記念号の第50号は、企画作品が面白い。

「短歌から創る」と題して、1首の短歌をきっかけにして小説づくりに挑んでいる。
「一首の短歌から、創造の冒険に。短歌を一首選んで、それから触発された作品を
創るという企画です。」と書かれている。



失われたものたちへ   吉貝 甚蔵
   夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている
                  大森 静佳 歌集 『てのひらを燃やす』


教室のかなた       廣橋 英子
   わが髪に硝煙の香のこもろうと蚊は翔てりそこも昏(くら)きなつぞら
                  塚本 邦雄『感弦樂』



夕雲(ゆふぐも)      西田 宣子
   係恋(けいれん)に似たるこころよ夕雲(ゆふぐも)は見つつあゆめば
   白くなりゆく        佐藤佐太郎『帰潮』


と、まぁ、こんなかたちで歌から創造の冒険を試みているのだが、大森静佳の
歌が引用されていることに、まず、驚いた。吉貝さんは短歌にも造詣が深い。
小説というより「失われたものたちへ」は、評論っぽく、岡井隆の「詩の点滅」の
連載評論にまで及ぶ。


廣橋さんの「教室のかなた」は、ファンタジーのような感じかな。
わたしは個人的には、西田さんの「夕雲」が好きだった。小説らしい小説と
いおうか。


でも、この企画はなかなか洒落ている。同人の8名が参加して執筆している。
ちょっと読むつもりが、やめられなくなって読んでしまった。
 

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