« 暑気払い | トップページ | 博多祇園山笠 »

2014年7月11日 (金)

『中原中也の鎌倉』 福島泰樹  冬花社

「短歌絶叫コンサート」を続けている福島泰樹の中也本の1冊。

福島泰樹には『中也断唱』『続 中也断唱 (坊や)』の歌集がある。

昭和12(1937)年10月22日、中原中也は鎌倉養生院(現・清川病院)にて
死去。享年30歳。

鎌倉での中也の足跡を辿る書であり、中也の詩の成立・背景を綿密に
考察している。

小林秀雄との確執はつとに有名であるが、その小林の魂の和解を
後半で、したためている。

集中、詩友である高森文夫の詩「ひとつの季節」を紹介していたが、その
終りの方の6行はまさに中也の「詩」に対する考えを現わしていた。

  ーー略
  ところで詩に憑かれて命を燃やし
  あたかも焼身自殺のように短い生涯を終へた
  あの中原中也がーー若い身空で晩年の人のように
  皺枯れた低い声で呟くように言つた
  あの言葉が忘れられない
  ーー詩とは、所詮 ものゝあはれだ……

中也の詩は「青春のノスタルジー」だと思っていたが、福島泰樹は、
それを「中原中也を、青春のノスタルジーだけで読んではいけない」と。

中也の詩は「帰郷」「一つのメルヘン」「汚れつちまつた悲しみに」
「サーカス」など、いずれも愛誦性に富む。わたしの好きな「渓流」の
モデル地が宮崎の東郷村だったとは…

  渓流(たにがは)で冷やされたビールは、
  青春のやうに悲しかつた。
  峰を仰いで僕は、
  泣き入るやうに飲んだ。

« 暑気払い | トップページ | 博多祇園山笠 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2032066/56754868

この記事へのトラックバック一覧です: 『中原中也の鎌倉』 福島泰樹  冬花社:

« 暑気払い | トップページ | 博多祇園山笠 »