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2014年8月27日 (水)

『芭蕉紀行』 嵐山光三郎  新潮文庫

2000年4月にJTBから『芭蕉の誘惑』というタイトルで刊行され、JTB紀行文学大賞を

受賞したのを、文庫に収録するにあたり、書きなおし、地図を入れている。



「野ざらし紀行」「更科紀行」「奥の細道」と、著者が芭蕉の足跡を追って旅をする。
なかでも、冒頭の「はじめに」の言葉は読者をぐいと引き寄せる。
曰く「芭蕉の旅は秘密だらけだ」。



その秘密を知りたくて、8月23~25日、わたしも芭蕉の旅を追って、ではなく、この
文庫をひたすら読み続けた。そこで知り得たのは、「衆道(しゅどう)」という言葉で
あった。広辞苑で調べると、「男色の道」あるいは「美道」「かげま」「にゃくどう」などと
ある。芭蕉にそのような関わり?があることは、なんとなく知ってはいたが、本書の
「笈の小文は禁断の書である」の章を読んで、いくぶんかの謎が解けたような気がした。


「笈の小文」の旅の道連れは、杜国(万菊丸)。女にしたいほどの美貌の若衆で
芭蕉より13歳ほど歳下であろうか。

         よし野にて桜見せふぞ檜の木笠    芭蕉
         よし野にて我も見せふぞ檜の木笠   万菊丸

著者はこの2人の句を「どう見ても駆け落ちの句である。」と書く。
この章の著者のペンの冴えというか、走りは必読である。



と、同時に、本書の面白さは芭蕉の高名な句を1句1句、現地で考証し
著者の考えを明らかにしていることである。


手書きの地図付き、芭蕉の年譜付きのこの1冊を携えて、旅に出るのもいいだろう。
 

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