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2014年9月25日 (木)

秋海棠(しゅうかいどう)の花

北九州の歌会。Tさんから秋海棠の花と水引草をいただいた。

しっかり水揚げされていて、帰宅して花に合いそうな花瓶を選んで挿した。


今、わたしの横の卓にその花瓶を置いて、PCに向かっている。
淡紅色の花がうなだれて咲いているのを見ていると、長塚節の歌を
思い出した。


       うなだれし秋海棠にふる雨はいたくはふらず只白くあれな

       いささかは肌はひゆとも単衣きて秋海棠はみるべかるらし


長塚節は、このころ九州の博多、千代の松原より、九大病院に通院していた。
この2首の歌には、詞書が付いており、「三十日、雨つめたし、百穂氏の秋海棠を
描きたる葉書とりいだしてみる、庭にはじめてさけりとあり」

長塚節が、平福百穂に宛てて出した、大正3年10月1日の絵はがきには次のように書く。

 
 
       秋海棠の御葉書に九月十一日とありますがもう花はないでしょう。
       私も一年庭へ植えたら花も見ないのに、いつの間にか絶滅して
       遺憾に思ったことがあります。その後はもうこの病気です。ーー略



長塚節、1915(大正4)年1月、九大病院隔離病棟に収容され、重態となり2月8日死去。
36歳。病名は喉頭結核。節の歌碑が九大病院構内に建っている。



秋海棠の花をなかだちにしての、節と百穂の葉書のやりとり。
現代の歌人たちに、そういったつきあいはあるのだろうか。

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