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2014年12月 7日 (日)

『草笛』 佐竹 游歌集 現代短歌社  

「八雁」に所属する著者の第一歌集。

1999年7月から、2014年1月までの、337首を収めている。

略歴に1970年生まれとあるので、現在44歳?。(29歳くらいから歌をはじめたようだ。)

『草笛』を手にして、読みはじめ、下記の2首に目が止まった。




      順接の接続詞もて文章をつなぐがごとき生は拒みつ

      してるのにしてないふりをしてゐてはしてゐることをしかと語れず


接続詞に「順接」と「逆接」があるが、順接の接続詞をつかって文章をつなぐ、
そのような予想や推論が可能な〈生〉は拒むという言挙げの歌である。
それは、社会に対して、他者に対して、ともいえよう。マジョリティーに与したく
ないともとれる。若い著者ゆえの気負いかとも思ったが、2首目の歌で、著者の
資質、即ち志向するものがはっきり読み取れる。



具体的に何を「してる」のかは、この歌だけでは理解できない。
しかし、「あとがき」の文章を読んだ者には、この「してる」ことは想像がつくだろう。
「あとがき」を知らない読み手にもこの歌の言わんとしていることは伝わってくる。
何をしてるかは、いろいろと置き換え可能で判断できる。そういった普遍性のある
1首ではないか。


     思想にも鮮度はありて三年(みとせ)前買ひし評論すでに古びぬ

     一途とも狂信的ともひとすぢとも…〈まつすぐ〉はときに過ちを生む

     手放しで他人を褒むる勇気など持たざりわれは怯みつつ来て


選んだ3首は、著者の、心理や思考が如実に出ているように思える。
確固不伐の精神とでもいうべきもの備えている。

「八雁」には、若い、面白い、有望な、人材が揃っているのを、2014年の9月号の
「二十代三十代特集」で感じたが、『草笛』のこの著者、佐竹 游さんも、目が離せない。

次の歌など、阿木津英の名を冠してもちっとも遜色がないと思うのだが、いかがで
あろうか。



      燠に風吹き入れむとするがごとくにて歌生らしめつ夜更けの卓に

 
                                         (この項、つづく…)

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