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2015年1月 6日 (火)

『歌壇』 2015年1月号  本阿弥書店

ようやく読み終えた『歌壇』1月号。

新春対談の馬場あき子と宇多喜代子の「詩歌のゆくえーーどこへ行く短歌と俳句」が

よかった。このお二人のことばは難しいことは言ってないんだけど、ホント身に響く。

         とにかく自分の名前はペンネームでもいいから、しっかり持って、
         いつもそれでやるんだ、この名前が引き受けるぞという責任が
         歌なり俳句なりになければいけないんじゃないか。
                                  馬場あき子


         モノに仮託して、モノに語らせる。菫に自分の心情を語らせる。
         だから、俳句ではモノがないものを詠む場合、例えば夢幻の
         類を詠むのは難しい。
                                   宇多喜代子



お二人の息の合った対談は、加藤楸邨の句でも、ぴったり。
馬場あき子(呼び捨てにするのも、著名人では尊称ですから)は、楸邨の句を
読むと元気が出てくるそうな。楸邨の句は初期から最後までいいと、べた褒め。




と、いう訳で、朝日文庫の現代俳句の世界『加藤楸邨集』が本棚にあったので、
これから読むつもり…。





☆ ☆ ☆ ☆ ☆
所属する結社の「未来」も届いていて、未来賞の受賞作を読んだ。
受賞したのは、金尾釘男さん。受賞のことばも若者らしくハッピーでいい。



           バゲット         金尾 釘男


       ぼくはわつと死ぬやうな気がする六畳半の部屋を残して

       定型は怖い湖上のゆりかごに揺れるふたりを遠くから見る

       線路脇のあの配管はなんだらういつぽんいつぽん眺める飽きる

       今日はもう戦後ぢやないや悩むのはやめてバゲット買ひに行かうよ

       付け足しのやうに体が浮いたこと誰もあなたに伝へなかつた

                                        (20首中の5首)



選考経過が掲載されていたが、それがまた面白い。

1首目の歌について、大島史洋さん「六畳半って知ってるかい。半畳の流しが
ついてるんだ。安アパートは三畳半とか六畳半だ。」


2首目の歌では黒瀬珂瀾さん「「口語の時代は寒い」(荒川洋治)とかよくある言い方」


3首目の歌で、田中槐さん「斉藤斎藤以後って感じはしますよね。完全にね。」




ともあれ、おめでとうございます。応募作65編のトップですから。
金尾釘男さんのナマ字って、見たいな。(戯言です。)
 
 

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