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2015年1月27日 (火)

『死ぬ気まんまん』 佐野洋子  光文社

2010年11月5日、著者・佐野洋子は東京都内の病院で死去、享年72歳。

この本の初出は『小説宝石』に2008年5〜7月号、2009年4、5月号に掲載

されたもの。他に「知らなかった」の章は、『婦人公論』の1998年10月22日号と

11月7日号に掲載されたもの。(2011年6月刊)

これらからすると、「死ぬ気まんまん」の章は亡くなる1年前、2年前の文章になる。




       ガンが再発して骨に転移した時、お医者は、死ぬまでに治療費と
       終末介護代を含めて1千万円くらいだろうと言ってくれた。
       ほぼ七十歳くらいで、私は金がかからなくなるはずである。
       私は抗ガン剤は拒否した。……



と、書くように、「抗ガン剤」を拒否して「死ぬ気まんまん」で、死の方へ歩いて
ゆくのだ。ふつうの人間だったら到底できないのではあるまいか。わたしなど
きっと取り乱し、何も手がつかず、オロオロするに違いない。




       根が貧乏性のわたしは物欲がないのである。
       食欲もないのである。
       性欲もないのである。
       もう物をふやしても困るのである。
       もう男もこりごりである。七十でこりごりと言うと笑われる。今から
       お前、男つくれるのか ?   はい、つくれません。





などと、ユーモアさえこきまぜて、この書は読む者を笑わせる。
それだけに痛々しいと思ったりもしたのだが……




       私は今が生涯で一番幸せだと思う。
       七十歳は、死ぬにはちょうど良い年齢である。







☆ ☆ ☆ ☆ ☆

移動中に上記の本を読み終えてしまった。

今日は春日の教室だった。終って、新年会。

みんなよく飲み、よく食べ、よく喋り、いっときこの世の憂さも、大変なことも

忘れていた。ふくのひれ酒が美味しかった。「宝山」という焼酎をはじめて知った。

亥年生まれが4人もいる、団塊の世代だなぁ。


みんな〈生きる気まんまん〉のひとたちである。

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