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2015年1月23日 (金)

『茜ときどき自転車』 岡田哲也  書肆山田

「あとがき ーー 人生の抜裏」によれば、この詩集は前詩集『わが山川草木』に

収めなかった、どこにも発表しなかった作品、ということである。

「わたしはこれらを絶対の備忘録として、めかして言えば遺書として書き続けた。」とも…



 
          三つに四つ

               わが身とはゆめ思わざりし四苦の日の
               夜半の番茶の寒き上澄み

        花冷えとか
        三寒四温とかいいまして
        そうやって 春は来るのです

        わたしの日足も 喜び三つに苦しみ四つ
        負けこしながら伸びてゆき
        千秋楽を迎えるのです

        くたびれたなら ゴロリとなるか
        コロリとゆくかの ちがいです

        花が散った野末には
        やがて雲雀もあがるでしょう

        霞をおしのけ 透きとおりかけた青空に
        片われ月が
        さいごの花びらのように浮かんでいます




処女詩集『白南風』から何年の歳月が経ったのだろうか。

あの詩集で、桶谷秀昭が書いていた跋文のことば「青春を殺すことであった」だが、
殺した筈だった「青春」が、どこかに、根強く、執ねく、胸中深く蔓延って
いたのかも知れない。

なんだか、せつない、かなしくなる詩集だった。  2013年6月発行。




       

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