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2015年1月 7日 (水)

『ねこに未来はない』 長田 弘  角川文庫

「かわいいねこたちが、ある日突然姿を消した。どこへ ?  なぜ ?

きびしい現実のなかで未来を奪われたねこたちに寄せた、さわやかな

ユーモアとあふれるウイット。」 (扉文より)


詩人、長田弘の物語エッセー。
怖いタイトルなのに、読みだしたら止まらず、いっきに読了。



冒頭の1行は、「ぼくは最初ねこが好きじゃありませんでした。」
だが、そのぼくがねこ好きの奥さんと飼いはじめた猫。
初代チイ、二代目チイ、クマ、ジジ。
初代のチイ、二代目チイ、そしてクマも失踪してしまう。
ジジは野良猫に嚙み殺される。




       こうして、ねこたちは次から次へ、ぼくたちのまえからなにげなく、
       さりげなく、あっけなく、いつも唐突に消えてゆきました。



       飼っていたねこの死や失踪に耐えられないくらいなら、はじめから
       そのひとはねこを飼うことなんかできないんだ、



せつない、残酷 ? な、物語だが、タイトルの『ねこに未来はない』の解釈というか、
意味を、奥さんが語る箇所がある。


       ねこは未来というものがない、なぜなら、ねこには未来を知覚する
       能力がないから、…



       人間が未来を感じることができるのは、前頭葉という組織のはたらきに
       よって…


       ねこにはもともとこの前頭葉という組織そのものがない…


猫好きのかた、是非お読みくだされ。
昭和50年10月に出た文庫。もう40年も前なんだ。
『加藤楸邨集』を文庫の書棚から取り出そうとして、これが目につき
読んでしまった1冊なり。

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