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2015年5月14日 (木)

『短歌博物誌』 文春新書 樋口 覚

生き物140種、500首の短歌を集め、鑑賞・考察した書。

帯には「ネコの隆盛 シカの没落」と書かれているように、古今東西の「猫文学」を

集め考察  ?  している「猫文学序説」は、なかなか参考になる。 

なかには、猫ファンがドキリとすることも書かれているが…




     猫は世界各地の高価な猫を収集した王侯貴族からブルジョア、
     平民にいたるまで、どの階級からも好まれたが、その酷薄さと、
     人間への屈従がないために熱烈に愛された。ただし、その見返りは
     極めて過少で、甚だつれなく、その愛好者は他の動物との交渉では
     えられない至福を味わえるかわりに、冷徹に悩まされることになる。




まぁ、そこが猫好きにとっては「たまらなくいい」のだが…
著者が取り上げている猫の歌を孫引きだが下記に紹介したい。



      猫の舌のうすらに紅(あか)き手ざはりのこの悲しさを知りそめにけり
                                      斎藤茂吉



      飼猫をユダと名づけてその昧(くら)き平和の性(さが)をすこし愛すも
                                      塚本邦雄
      
      
      飼猫にヒトラーと名づけ愛しゐるユダヤ少年もあらむ地の果て
                                      春日井建



      水なめて立ち去る猫のほのかなる未練をもちて立ち去るならむ
                                      小池  光
 
               

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