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2015年6月19日 (金)

『私の息子はサルだった』 佐野洋子 新潮社

2010年11月、72歳で亡くなった佐野洋子の没後発見された未発表作品。

「あとがきのかわり」を佐野洋子の息子である広瀬弦が記している。


      すべての行にうっすらと大袈裟と嘘が見え隠れする。ほらな、
      やっぱりな。こういうのが嫌なんだよな。


      だけど何度か読んでいるうちに、もしかしたら僕から見た大袈裟と
      嘘が、彼女の中では全て真実なのかも知れないと思い始めた。
      


      同じ時期、同じ場所で僕が見ていたものが彼女には違うものに
      見えていたのかも知れない。全く違う体験をしていたのかも知れない。
      そうか。そうかも。


佐野洋子は母親として息子を「100万回抱きしめて100万回つきはな」したのだろう。

3歳の「ケン」も、13歳の「ケン」も、17歳の「ケン」も、佐野洋子にとっては、

可愛い、だいじなだいじな息子(子ども)なのだ。

終章の「愛する者」のところまできて、泣いてしまった。佐野洋子の心が痛いほどわかる。

そして、わたしもまたわたしの息子のことを思った。

                              2015年5月発行 1200円(税別)

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