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2015年6月28日 (日)

『吉本隆明 最後の贈りもの』 吉本隆明  潮出版社

2012年3月16日に亡くなった吉本隆明。

生前に、歌人の道浦母都子がインタビューをしたのが収められている。




      ーー略
      吉本さんから日本の短歌史、そこに流れている詩心の変遷を
      おうかがいする機会…。
      その第一回は、二〇〇九年一月十九日三時半から、吉本さんの
      お宅ではじまった。大阪からうかがった私は、まだ、整理のできない頭で、
      吉本さんの前にいた。この企画が通ったことすら、信じられないままの
      状態だった。あまりにも大それたことを考え、それを実行している自分に、
      あきれ返ってもいた。ーー略



集中の「花海棠と吉本隆明」と題する道浦母都子の文章である。初出は「現代詩手帖」
2012年5月号。この文章を読むかぎり、道浦の方から企画し実行していることが窺える。


そして、『最後の贈りもの』というタイトルは、「私がお願いして採用していただいた」とも
記している。幻のインタビューが活字化された経緯は置くとして、読者としては、何より
吉本隆明が、歌(短歌)に対して、どのような考えを持っていたのかを識り得る一集に
なっている。

たとえば、詩を書くことを「自己慰安」と呼んでいた吉本隆明。


「半分は自己真実、半分は自己劇化でなければ、詩にはならない」などの言葉は
鮮烈である。


道浦母都子の歌に対して「時代と情況の変化に対応できている」とも述べている。




     ーー略
     受容して下さった吉本さんの度量、私の近刊の歌集や著作を読んで、
     準備して下さっていたありがたさ、何と申し上げていいのか、わからない。ーー略

                            「花海棠と吉本隆明」より




この書はⅠ・Ⅱ・Ⅲ章とあり、Ⅰ章では「詩歌の潮流」。Ⅲ章では「俳句のゆくえ」で、
道浦母都子との対談はⅡ章に収められている。
     
                                    (2015 年4月発行)
 
 

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