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2015年8月 9日 (日)

「家族のうた」 加藤 治郎  ふらんす堂

365日短歌入門シリーズ②

1月から12月まで、毎日1首をとりあげている。

見開きに4首なのだが実に読みやすい。

たとえば今日、8月9日は「とこしへの川」の竹山広の歌。




      まぶた閉ざしやりたる兄をかたはらに兄が残しし粥をすすりき



         昭和二十年八月九日、竹山広は長崎市の浦上第一病院入院中に

         被爆した。歌集では「血だるまとなりて縋りつく看護婦を曳きずり走る

         暗き廊下を」と詠まれている。翌日、竹山は、上半身火傷で皮膚の

         はがれた兄に会った。闇の中で兄は息を引き取る。瞼を閉ざして

         やるのだ。ここで歌を終えることもできた。竹山は深みに踏み込む。

         兄の死屍の傍らで兄が食べ残した粥をすする。生き抜くことである。

         ここまで歌いきったことが凄まじいのだ。





読みやすく理解しやすい内容になっている。
何より1首の歌の背景や時代(場所)考証 ? なども、しっかり調べて書かれている。


たとえば、中村憲吉の歌「岩かげの光る潮より風は吹き幽(かす.)かに聞けば
新妻(にひづま)のこゑ」の場所は、鞆の浦とばかり思っていたのだが、加藤の
鑑賞では、「福山の仙酔島」と書かれている。ええっ、そんなぁ…と思い、

地図で調べてみたら、鞆の浦の先 ? 向かい側  ?  が仙酔島なんだよね。
「万葉ゆかりの地、鞆の浦に新婚旅行に行き…」という従来の鑑賞に頼って
いないところが、なんともさわやかであり、先駆者みたいでいい。



新書版よりちょっと大きめだが、持ちやすいし、電車の中で読めるのがうれしい。





   cat    cat

今日は、パソコンが新しくなり、どうもまだ馴染んでいない。
それで、二重のカギカッコを出せずにいる。

タイトルの「家族のうた」は、一重のカギカッコで申し訳なし。
書籍の場合は二重ですよね。

                      ごめんなさい。

         
         

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