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2015年9月13日 (日)

『さがしもの』 角田光代 新潮文庫

平成17年刊行の『この本が、世界に存在すること』(株式会社 メディアファクトリー)を

改題し、文庫化したもの。

本にまつわる短編「旅する本」「ミツザワ書店」「さがしもの」など9編が収められている。





タイトルになった『さがしもの』は、病床のおばあちゃんに頼まれた1冊の本を探して

奔走する中学2年の私(少女)が主人公の物語。

おばあちゃんは「あんたがその本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」と言う。

そして、さらに「もしあんたが見つけだすより先にあたしが死んだら、化けて出てやるから

ね」とも言う。



結局、さがしものの本は、見つからず、おばあちゃんは死んだ。




       その、あまりにもさまざまなことが起こった三年間、私はずっと

       おばあちゃんの 言ったことを胸のなかでくりかえしていた。

       いつだってできごとより考えの ほうがこわい。……略


       できごとは、起こってしまえばそれはただのできごとなのだ。






角田光代の箴言めいたことばが折々出て来てくる。
それを読みたさに、読んでいるとも言える。




たとえば、「ミツザワ書店」の女店主のおばあさんのことばとして語られる。



       だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるもんなんか、
       本しかないだろう。




「本っていうのは、世界への扉だったのかもしれないですよね。」

 

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