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2015年10月 1日 (木)

秋明菊もかなしむ

福岡市の暴風雨警報は解除されたものの、まだ風雨がはげしい。

リビングの窓をすこし開けておくと「もがり笛」のような音がする。

火曜日に U さんからいただいた秋明菊の花は水揚げがうまくできなくて

枯れてしまった。秋明菊は茎が細いので水揚げが難しい。

U さんは茎の切り口を焼いて(焙って)持って来てくださったのだが…

やはり庭に咲いていたままの方が良かったのに。

ほんとうに花に悪いことをしてしまった。 

それにしても今夜のこの風雨で庭の花たちも揉みくちゃになっていることだろう。

わがやの夕顔の花ふたつも揉まれて揉まれてかわいそうなことよ。







『思川の岸辺』小池光歌集にも秋明菊の花の歌がある。

4首だったか、それぞれの年にうたっている。






      ちりぢりになりゆく庭の秋明菊のこりななつの花を惜しまむ

      こんなにもまぶしくことし花つけし秋明菊にきみに声かく

      秋明菊のひとつの花をめぐり飛び去りてゆきたるしじみ蝶ひとつ

      ひとつのみ花咲いて枯れてしまひたることしの秋明菊もかなしむ

                      『思川の岸辺』小池光歌集 角川書店

                                 2015年9月25日発行







2首目の結句は亡くなった「きみ」に声をかけているのだろう。
「秋明菊に」「きみに」と並列にしたところがこの歌の核。
この世にいない「きみ」、秋明菊のまぶしさが悲しみをいっそう募らせる。


4首目の「秋明菊もかなしむ」は、作者が悲しみにくれているのに、秋明菊さへも
かなしんでいるようだ…と、鑑賞したのだが。

「きみ」が亡くなって、きみの死をかなしむように、秋明菊も年々花数が少なく
なってゆき、たったひとつのみ咲いた花も枯れてしまったのだ。






明日はこの小池光歌集『思川の岸辺』(おもひがはのきしべ)について、
書きたいと思っている。


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