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2015年10月 8日 (木)

紫苑(しおん)の花

散歩の途次、紫苑の花を見かけた。

丈の高さは1メートルをゆうに越えている。キク科の直立性多年草。

茎頂に青紫色の花をたくさんつけている。

丈が高いので先日の台風で倒れているのもあった。

子規の俳句に紫苑の丈を詠んだのがある。





      淋しさを猶も紫苑ののびるなり    正岡子規





紫苑の花といえば、真っ先に思い出すのは大西民子の歌である。

      道のべの紫苑の花も過ぎむとしたれの決めたる高さに揃ふ

                        『野分の章』 大西民子






この歌は、第 6 歌集『野分の章』の巻頭に収められている。

この歌の下の句「たれの決めたる高さに揃ふ」を、大西は自解100選の『大西民子』

(牧羊社)で下記のように書いていた。





      或る晩、遠方の友人から電話がかかって来て、驚かされた。

      「たれの決めたる、と言っているが、植木職人のことでも指(さ)しているのか」
     

      と、尋ねられて、私は当惑した。説明のしょうがなかった。説明を必要と

      するような歌は歌ではないと私は思っていたのだから。



大西民子の当惑ぶりが窺える。

下の句をそんなふうに鑑賞されたらこの歌の良さが消えてしまう。

その下の句こそが<詩>であり、作者の「直感的な感性」なのだから…


 

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