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2015年11月 2日 (月)

『石川啄木の百首』 小池 光  ふらんす堂

見開き2ページに歌1首と解説(鑑賞)を付した1冊。

とても読みやすく、ハンディーなので電車の中で読んでしまった。

そのなかの1首だけ紹介しよう。



  

          小奴(こやつこ)といひし女の

          やはらかき

          耳朶(みみたぼ)なども忘れがたかり



    

           その耳たぶを嚙んだのであろう。ふっくらと、やわらかい耳たぶで

          あった。性愛の一場面を意表を衝いたディテールで印象深く切り

          取っている。こういうことが記憶に残るのである。
           

           小奴は本名渡辺じんといって啄木より四つ年下、釧路花界の花形で

          人気があった。後に結婚して子供も生み、晩年は東京都下の老人

          ホームに暮らした。亡くなったのは昭和四十年で、七十六歳まで生きた。

          晩年には短歌を作ることもあった。「ながらへて亡き啄木を語るとき

          我の若きも共になつかし」などと歌っている。

 

 

     
巻末に著者が「解説『歌』の原郷」のタイトルで、啄木の生涯に触れて書いている。

                                 2015年10月刊   1700円+税





cat   cat

閑話休題。

「方法的制覇」(1985年 岡田哲也・田村雅之・樋口覚 編輯)に愉快な歌があった。
何度読んでも笑ってしまう。


        
         「わけもなくこころ淋しくありしとき雲は流れる長靴はいて」

            (上は啄木から、下はマヤコフスキーから引用、引用ばかりなので「 」

            つけたが、カッコつけちゃったか)



         鶏頭の十四五本は十四五本の操縦桿となりて吾(あ)を責(せ)む 

            (という夢をみたのだ。二本の手でどうやって十数本の操縦桿を

             引くことができる。わが夢はつねに、なにかの欠落というパターン

             をとる) 

                             小池  光 「夢の操縦桿」28首より







もう、本人もこの歌のこと、忘れてしまっているかもしれない。詞書?も本人のもの。

昔は、こんな雑誌がいろいろあった。

昨日は、雑誌塗れになって整理したけど「無名鬼」・「磁場」・「アルカディア」・「五柳」など、

読んでいたら、整理するのが挫折してしまった。

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