映画「起終点駅 ターミナル」 佐藤浩市主演
桜木紫乃の原作の映画化。
起終点駅である釧路駅。その釧路が舞台の映画。
鷲田完治(佐藤浩市)は、25年前、目の前で自ら命を絶ってしまった恋人(尾野真千子)を
救うことが出来なかった。と、いうよりその場から逃げてしまったのだ。
その断罪を背負うかのように妻子と別れ釧路で国選弁護人としてひっそりと生きていた。
そこへ現れたのが椎名敦子(本田翼)という若い女性。
2人の出会いから物語は始まる。
この映画の中で別れた息子から電話が掛かってくるところがある。
その受け答えに父親の複雑な心理が丁寧な言葉遣いに出ていた。
どう応えていいかわからないような…
恩人である泉谷しげるの何気ない「1つや2つはあの世に持っていくことがある。」の言葉。
そして、下記の完治のことばがわたしの心に刻まれた。
(佐藤浩市がますます好きになり候。)
生きてさえいればいい。
生きていてくれさえすれば…
この映画で釧路の街の描写があるが、ことに印象深かったのは、
幣舞橋(ぬさまいばし)が出てくるところ。3度くらい出てきたが、
橋の上に建っている「道東の冬」の裸像が映っていた?。
石川啄木の足跡を辿ってわたしが訪れたのは今から10年ほど前。
潮の香に包まれ歩む幣舞橋(ぬさまひばし)明治四十年の啄木いづこ
停泊の船もみぞれに濡れてゐる霜月半ば 水鳥のこゑ
ふくよかな胸に潮(しほ)の香抱きとめて「道東の冬」の裸像は立てり
歌集『暦日』 平成24年7月刊 角川書店
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