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2016年1月 3日 (日)

「りとむ」 2016年1月号 №142

第十六回りとむ二十首詠賞が発表されていた。

第一位は、山口文子さんの「初夏の記憶に」だった。

選考委員の三枝昻之・寺尾登志子・田村元の三氏全員一致で一位に推していた。






      平日の美術館へは十二時に優しい***(アスタリスク)の沈黙

      「お客さま」声かけ瞬時に下がりたる紳士はやはりルノワールがお好き

      現在地伝えきれずに正確な三角錐の木の下で待つ


美術館監視員の日常というテーマで詠まれた連作だった。

山口さんといえば、すでに第一歌集『その言葉は減価償却されました』(角川学芸出版)が

ある。斬新で柔軟な表現に注目した集だった。(拙ブログでは、2015年2月28日に紹介)





その山口文子さんは、1年の滞在と決めてパリに現在、在住らしい。

というのも「りとむ」の同号にコラム「パリ緊急レポート」を寄せていた。

このコラムがテロ後のパリ事情を伝えていて、とても良かった。



たまたま、本日の朝日新聞の「グローブ」(第1・第3日曜刊) 「世界とつながる日曜版」の

浅野素女(あさの・もとめ)さんの「テロに明け暮れたフランス」の文章に触発された。

浅野さんは、フランスに暮らして30年余りのパリ郊外在住のライターである。



     

      市民はパリがパリであり続けることを確認し、同時に何が起ころうと

      そうあってほしい(注 第一次世界大戦の傷を引きずりつつも、生きる

      喜びに溢れ、毎日が祝祭のように輝いていた。)と祈ったのだった。






そして、その文章の結語に身の引き締まる思いがした。

      他者を抹殺したり否定したりする行為の果てには何もない。

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