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2016年1月20日 (水)

『シズコさん』 佐野洋子 新潮文庫

シズコさんとは、佐野洋子の実母。

私(佐野洋子)は、母(シズコさん)に虐待(と、思い込んでいる?)されて育った。

4歳位の時、母と手をつなごうと思ったのにふり払われたのだ。




         私はその時、二度と手をつながないと決意した。

         その時から私と母さんのきつい関係が始まった。


4歳位の時の記憶をこれほど胸に刻み込んでいる佐野洋子の感受性。

10歳の時の水運び、赤ん坊のおむつの洗濯、畑の草取り。

労働の経験と忍耐も「しないよりした方がよかったと思える」と後年記しているが…

しかし、虐待されているといった思いは強かったのだろう。






         強情は強情だったのだ。私がどんなに手の負えない強情か。

         私は何一つ思い出せない。人の一生の記憶は自分にだけ都合が

         いいものだと思う。






80歳で呆けたシズコさん、長年の確執が溶けてゆく。






         「母さん私もう六十だよ、おばあさんになっちゃったんだよ」

         「まあかわいそうに、誰がしてしまったのかねェ」


2006年8月20日、93歳でシズコさんは亡くなった。

そして、佐野洋子は2010年11月5日、72歳没。

シズコさんは、短歌の会に入って短歌を詠んでいたそうだが、

どんな短歌だったのだろう。

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