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2016年4月23日 (土)

「季刊午前」 第53号 2016年3月

特別企画として[丸山豊 生誕百年] が30ページに及び組まれている。

詩人・丸山豊(1915~1989年)は、1989年8月、渡欧途中のアンカレジ上空の

機中で客死、74歳であった。





福岡県久留米市にあって詩誌「母音」を創刊したのは1947年である。

この「母音」からは、多くの有力詩人を輩出した。安西均・谷川雁・森崎和枝・松永伍一・

川崎洋・一丸章 等。






このたびの特別企画では、著書目録は勿論だが、2015年11月29日に久留米市立

図書館で丸山豊の生誕百年を記念して行われたイベント「詩人丸山豊の百年を読む・

知る・語る」の吉貝甚蔵氏の講演録が掲載されている。



           略ーー丸山豊にとって、帰宅すべき場所は、「日常」だったのでは

           ないかと考えてしまいます。彼は「日常」を大切にするのだけれども、

           当然、詩の中で彼は「非日常」を強く意識しています。

                                  吉貝甚蔵 講演録


「帰宅すべき時刻に」について語られた吉貝氏のことばは、丸山豊の詩の深部まで

降りてゆき、なかなかに思索的である。随筆集『月白の道』(創言社 1970年)の

「むすびの章」で丸山豊は下記のように記している。






          略ーー私は、随筆(記録文もふくめて)という形式も、今日までなるべく

          避けてきた。随筆がおちいりやすい日常性や回顧性をおそれて、

          私じしんが精神的に老いるまでは、随筆を遠慮しようと思っていた。

                                           丸山豊 『月白の道』より

           略ーー随筆の回顧性にしたくない。というのは何かというと、この死者の

           観点から考えるとはっきりしています。つまり死者を思い出にしたくない。

           死者というものは今そこにある現実、実存なのだと考えたときに、それを

           回顧性にしたくない。ということを直観的に、感覚的に感じているのです。

                                            吉貝甚蔵 講演録









この特別企画には他に、詩人であり陶芸家の山本源太氏が「夢の器~丸山豊さんとの

思い出~」を寄稿している。

源太氏は丸山豊によって陶芸家としての礎(いしずえ)を築いたともいえよう。

1968年、源太氏26歳の時に福岡県八女郡星野村に入山。「源太窯」を起こす。

丸山豊が逝去する10年前に「源太君、おれの骨壺をつくってくれんの」と口にされた

ことを綴っている。1969年の若かりし頃の写真が添えられていた。



山本源太さんといえば、もう20年も前に星野村の源太窯を訪ねたことがある。

ちょうど「四照花(やまぼうし)」の花の咲くころだった。

この花の咲くころになると、源太さんのことを思い出す。

このところの無沙汰を詫びるしかない。



           若葉あめ光る八女郡星野村しろきやまぼうしの花に逢ひけり

           雨あとの地(つち)やはらかくのぼり窯のめぐり白妙のやまぼうし咲く

                                                      miyoko

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コメント

ブログ拝読。
丸山豊の詩の深さと彼が負ったものについて考えに考えた時間を過ごしました。
ブログの記事、ありがとうございます。

ブログ、読んでくださって、ありがとうございます。

お知らせしょうかとも思いつつ、迷っていました。

良い講演でした。講演のための下準備というか、読み込みが大変だったこと

でしょう。講演するという機会があったことは「丸山豊」の何かのお導きかも知れないですね。

これからも「季刊 午前」たのしみにしています。

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