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2016年6月 5日 (日)

映画「海よりもまだ深く」 是枝裕和監督

母・(樹木希林)とその息子・良太(阿部寛)。

そして元・嫁(真木よう子)と、良太との息子・11歳の物語。




良太は15年程前に文学賞を受賞したが、そのご鳴かず飛ばずの

売れない作家であり、現在は探偵事務所に勤めている。表向きには

取材のためなどと言っているが、元・嫁に子どもの養育費も滞るような

ダメな暮しをしている。



団地に暮らす母はそんな息子と知りながら、大きな愛で良太に接する。




とりたててこれということのない物語であるが、その描写や科白が

じんわり、ほっこりする。





そして、是枝監督のこだわりが随所に出てくる。

たとえば、15年前の文学賞は「島尾敏雄文学賞 ?」で、その時に出版

された良太の本が自分の本棚に何冊か並んでいたり(ストックか)。




良太の机の前のボードには、メモがいっぱい貼られている。

気の利いた科白や人が発していいなと思った言葉を次の小説を書く時に

つかうためだったり……

良太の姉(小林聡美)の、小憎らしい演技が光る。

光るといえば、探偵事務所の後輩(池松壮亮)は、何かしらの雰囲気が

あり、気にかかる存在。そういえば、映画「紙の月」で、宮沢りえの年下の

恋人役・大学生をした人だったと気づく。




是枝監督の美意識がもっとも出ているのは、やはり、科白だろう。


良太のように一つ一つメモしたいくらいだった。





       幸せっていうのはね、何かをあきらめないと、

       手にできないものなのよ。

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