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2016年7月 1日 (金)

『天使の涎』 北大路 翼   邑書林  

1ページ13首組、2000句の句集。

2000句といえば気の遠くなるような数の句だが、読みだすと

すいすいと読めてしまうのが不思議。

表紙はショッキングピンク?で、コミックのような体裁のソフトカバーである。





いままでわたしが抱いていた俳句のイメージ、句集のイメージを明らかに

打ち破るものであった。(その内容も……)






       ウーロンハイたつた一人が愛せない

       ほうたるの死ぬたび月の赭くなる

       短夜やさみしさしまふ場所のなし

       倒れても首振つてゐる扇風機

       我になき子育ての日々ちちろ虫

       孤独死のきちんと畳んである毛布

       小鳥抱くやうにオカリナ星澄めり

       俺のやうだよ雪になりきれない雨は

       花に降る雨優しさとあきらめと

       我にまだ家族のなくて夏に入る

綺麗な句を選んでしまったかなぁ〜

だって、これでもか、これでもかと偽悪ぶって?いる句が多くて、

なんじゃ、これは、って思いつつ、無頼のポーズを剥ぎとると、至って

ふつうのナイーブな青年のこころねがぽつんぽつんと姿を顕す。




「悪乗りの蛍光ピンク」の句は、読者へのサービスなんだろうね。

きっと、ロマンチストで、さみしがり屋で、甘えん坊で、このひとに

俳句という器がなかったら、とんでもない<拗ね者>?になっていたかも…




などと、憶測したりして。

小題の横に添えられたフレーズがいい。




       「出口のない場所が最良の休憩場である。」







                      装画 新井英樹  写真 秋澤玲央
       
                      2015年4月19日  1389円+税


 

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コメント

ご紹介ありがたうございます。
お手紙も拝読いたしました。
俳句と短歌のおかげで道を外さず?暮らしてゐます。
今後ともよろしくお願ひします。wine

勝手なことばかり書きまして、申し訳ありません。

俳句に対する情熱をしっかり受け取りました。

「浮世は夢」、人生は夢のようにはかないもの?と、

つらつら思うとります。

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