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2016年8月29日 (月)

『世界中で迷子になって』 角田光代 小学館文庫

2013年4月に刊行された単行本『世界中で迷子になって』をもとに

文庫化したものである。

「旅に思う」(13編)、「モノに思う」(25編)が収められている。

どこから読んでもよく、作者ならではの視点があり、本音が綴られている。




「旅に思う」では、開高健(かいこう たけし)の言葉を引用していた。



       少年の心で、大人の財布で旅をしなさい。



「大人の財布」というのは、お金のことばかりではない、余裕のことだと

わかる、と。



「モノに思う」では、真っ先に「猫と母」を読んだ。




        我が家に猫がやってきた。一月に知人宅で生まれた、まだ

        生後半年の赤ん坊猫である……



角田光代のブログ「トト日記」に登場する愛猫・トトはんが作者のところへ

初めて来たことが綴られている。それからのトトとの付き合いも。

そして、キャットタワーをトトはんのためにネットで注文したのだ。

買って2日目には、いちばん上の段のハンモックにすっぽりとおさまるトト。




        ヨカッタヨカッタ。気に入ってくれてヨカッタヨカッタ、でもあるし、

        二万円弱が無駄にならず、ヨカッタヨカッタ、でもある。






この手放しの喜びようがいい。

なんだか、読んでいてこちらまで幸せな気分になれるのは本を読むことの

醍醐味ともいえる。




巻末に文庫書き下ろしエッセイ「2016年未来の旅」が収録されている。




                    定価 610円+税  2016年8月10日発行


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