« 月の雨 | トップページ | 夜の子規庵 »

2016年9月18日 (日)

『俳句 四合目からの出発』 阿部筲人  講談社学術文庫

文庫の書棚を整理していたらいつ買ったのやら出てきた1冊。

ぱらぱらと捲っていたら面白くて面白くて、読み更けってしまった。

ところで、

TBSテレビで「プレバト」の夏井いつき先生の批評が面白いというのを

教室で何度も聞く。

どうも辛口のコメントらしい。その辛口が愉しいのだとか。

短歌にも当て嵌まるというか、短歌だって助詞を1つ替えるだけで

ぐ~んと良くなったり、語順の入れ替えで、しっかりした短歌になる

ことがある。








さて、さて、この文庫本『俳句 四合目からの出発』は、1968年に亡くなられた

阿部筲人(あべ しょうじん)氏ので、第1刷は1984年なのだが、刷を重ねて

わたしは第33刷目を購入していた。






         カンナはいつも「燃え」、「一つ」だけ枝に残った柿はきまって

         「夕陽」に照らされ、妻は「若く」、「母」は「小さい」ーーだれでも

         初めて俳句に手を出すとまず口をついて出てくるのが、

         こうしたきまり文句。初心者はこの紋切型表現と手を切ら

         なければ、「四合目」から上に登ることはできないと阿部

         筲人は説く。           ーーー解説  向井 敏








四合目から上に登りたいわたしは、しっかり読んだのだろうか。


         略ーー特に目立っておかしいのは「自分の心が澄んだ」と

         嘘っぱちを言う事で、

            秋深み湯船にひとり「心澄む」

            秋の山峰近ぢかと「心澄む」

          真に心が澄んでいるときは、自分の心が澄んだと考えない

        状態であって、更にこうまで口に出して自己宣伝しないもの

        です。ーーー略








どのページを開いてもチクりチクりと刺さってくる。

こんな当然のことをついやらかしてしまうんだよね。

しかし、その棘は、夏井いつき先生の辛口の評言のように実作者に

やさしい。ここまで懇切丁寧に言われると、やっぱり精進(笑)しなくちゃ、と。






                    1350円+税   2006年第33刷発行







追記 著者のお名前「阿部筲人」の筲の字がPCでこの字しか出なくて

    ごめんなさい。正しくは、竹カンムリの下はハネルのが逆です。

 

 

« 月の雨 | トップページ | 夜の子規庵 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2032066/67552376

この記事へのトラックバック一覧です: 『俳句 四合目からの出発』 阿部筲人  講談社学術文庫:

« 月の雨 | トップページ | 夜の子規庵 »