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2016年9月 5日 (月)

歌人・大島史洋&大島登良夫 親子

歌誌『短詩形文学』2016年9月号の匿名「短歌時評」を読む。

今月のタイトルは「父と子の歌集 子・大島史洋」。

あれぇ、なんだか見たタイトルと思って、念のため8月号を出してみたら、

「父と子の歌集 父・大島登良夫」だった。






そうか、この(百日紅)匿名さんは、父親・大島登良夫の歌集『恵麓後集』と

息子の大島史洋の歌集『ふくろう』の歌を抄出・対比?させて、論じている。





    アララギの百年を生くるは難からむと思ひしが存へてアララギはなし

    長生きしてよいことは嫌な奴が先に死ぬことと言ひし人あり

    美しき老いなど吾にある筈なし有漏(うろ)にさいなまれ生き来し思へば

    憲法九条を守る会に名を列ねたり吾のなしうることの一つに

    戦争に前方後方の別ありや後方支援に惑はさるる勿れ

                             大島登良夫『恵麓後集』より

    長命とは生き残ること目の当たり見せしめている父の姿は

    父と子の絆はたとえば隣人愛 傘一本の貸し借りくらいの

    ふるさとに雪は降るとぞ死にそうで死ねない父を見舞いにゆかむ

    認知症の母が死にたいと言いしときそううまくゆかぬと言いたる父よ

    父の名が「新アララギ」に無きことを確かめているこの月もまた

                             大島 史洋『ふくろう』より



「この父にして、この子あり」と思うのは穿ち過ぎか。

しかし、なんともまぁ、似ている。歌も人間も。

辛辣でありながら、ユーモアもあり、読後ほっこりする部分もある。





父の登良夫の歌集『恵麓後集』は、平成13年、作者88歳から平成19年

94歳までの作品587首が収められている。

子の史洋の歌集『ふくろう』は、第50回迢空賞を受賞している。

息子の迢空賞受賞も知ることなく、大島登良夫氏は昨年逝去されている。







cat     cat
よけいなことだが、この時評の匿名は、匿名にする必要があるのかしらん。

そういえば、ず~っと匿名になっていたような。(折折、名前は変わるけど)


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