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2016年11月21日 (月)

『斎藤茂吉の百首』 大島 史洋  ふらんす堂

シリーズ 歌人入門 ②

タイトルの副題に「己の行く道は間違っていない」とある。

これは、茂吉のことを言ってるのかしら?

装幀は、和兎さんで「ふくろう」の絵がつかわれている。

このふくろうは「ふくろうの置き物吾の宝物ふくろうの目は哲学をする」の

大島さんの歌のように、目が哲学をしているみたいに見えなくも、ない。





新書版のハンディさがいい。

右ページに歌を1首、左ページに歌の鑑賞。

読み易い。原作を忠実に守ってルビを多用しているのか、それもまたいい。





    

      海のべの唐津(からつ)のやどりしばしばも嚙みあつる飯(いひ)の

      砂のかなしさ

         ー略 この歌は、詞書にもあるように佐賀県唐津海岸に療養に

         行った折の歌である。当時は米の質もよくなかったから、

         こういう歌が生まれた。茂吉はご飯の中の砂粒を気にして

         同じような歌をたくさん作っている。ー略







と、まぁ、こんな感じで大島さんの普段の口調並に率直である。

茂吉の17歌集から100首を選ぶのは大変な作業だったと思うが、だいたい

茂吉の代表作は収められている。

個人的に欲を言えば、下記の歌などは、入れて欲しかった、なんて……

     ゆふされば大根(だいこん)の葉(は)にふる時雨(しぐれ)

     いたく寂(さび)しく降(ふ)りにけるかも

   

           家いでてわれは来しとき渋谷川(しぶやがは)に卵のからが

     ながれ居にけり









                     2016年11月15日   1700円+税









cat      cat

なお、大島史洋さんの歌集『ふくろう』は本年度迢空賞を受賞している。

そして、『河野裕子論』(現代短歌社刊)は、現代短歌大賞を受賞した。

12月8日には、東京・神田の学士会館にて授賞式が行われる。

大島さんにとって今年はとってもいい年になったみたい。

おめでとうございます。


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