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2016年12月16日 (金)

「短歌ホリック」① 創刊号

発行人・荻原裕幸、編集人・辻聡之の同人誌。

同人は、前記の荻原裕幸・辻聡之と小坂井大輔・廣野翔一の4名だが、

この創刊号ではゲストに谷川電話・千種創一・戸田響子が参加している。

同人もゲストも歌の数がきっちり20首(4ページ)というのがユニーク。

このわけ隔てなさ(笑)に、気骨を感じたりした。


       さくらからさくらをひいた華やかな空白があるさくらのあとに

                                     荻原 裕幸

       どこにもいけないどこにもいけないどこにもいけない 全身が恥部

                                     小坂井大輔

       シュガースティックふいに破れて漏れ出づる感情をうまく押し

       殺せない                         辻  聡之

       地下街に人はざわめき歩きゆく人の思考にわれは触れざる

                                      廣野 翔一

       夕焼けは顔半分をきらめかせ顔全体できみは笑った

                                      谷川 電話

       愛なのか伝令なのかもわからない手紙は豆のようにたたまれ

                                      千種 創一

       ゆゆゆゆゆ朽ちる古書からこぼれ落ちた文字が静かに床に

       広がる                           戸田 響子



同人もゲストも「わけ隔てなく」各1首あげるにとどめた。

小坂井の強引な(笑)リフレイン。

「豆のようにたたまれ」の千種の結句の展開、

「ゆゆゆゆゆ」の初句のわけのわからぬオノマトペ(?)の面白さの

戸田の1首。

これぞ、「短歌ホリック」の〈ホリック〉に相応しいと感じた次第。







そして、極めつきは廣野翔一の「現代百人一首」。

縦横無尽にあの歌、この歌を取り上げて、コメント無しで、

「さぁ、読んでください」みたいな、無責任さ(褒め言葉ですよん。)

「全身全霊を懸けて選び抜いた100首」だけあって、読み応えあり。

笹井宏之さんや藤井常世さん、小高賢さんなど亡くなられたひとも

取り上げてあったのが印象的だった。






ツイッターでの呼びかけに応じて、「推し短歌」を寄稿した人が28人も

居たことの驚き。それらに14ページを割いている。

瀟洒な装幀と「短歌ホリック」の同人誌名はどなたのセンスかしらん。


それにしても、60ページから成るこの冊子は、1冊500円で採算が

とれるのかと他人事ながら案じられもした。





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