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2017年1月25日 (水)

「66(ロクロク)」  ロクロクの会

ロクロクの会は(二〇一五年結成時)おおむね四十代の

女性歌人グループ。(と、いうことはすでに50代のかたもいる?)



全員が結社に所属しており、理念も歌風もさまざま。…と記す。

「べたべたした表層的な友情とは違う、同志のような敵同志のような女性

歌人の連携。嫉妬や競争心という皮を剥いだ人間の本質のぶっかり合いと

信頼……」と、なかなか奥が深い。





メンバーは12名。

それぞれが15首詠とエッセイ(好きなお菓子)を寄せている。







     ガリレオ温度計われのうちなるガラス玉沈んでゐたり秋は遠くて 

                                       浦河 奈々

     柏そごう秋になくなるこの町に四十三歳(しじゅうさん)なるわれは

     働く                                遠藤 由季


     桟橋のやうなる部署か遠ざかる舟には離職票を送りて 
                                       岸野亜紗子

     娶られてのちの暮らしの長さなど知らざりき日の風のやさしさ

                                        後藤由紀恵

     練絹の白さに雲の流れゆく空のこころはひとを恋うこころ

                                        齋藤 芳生


     労働のをはりのときに雨はきて鉄道草をあをく揺らしむ

                                        高木 佳子

     昼の月のめぐる空へと近づきてまた遠ざかる鞦韆の子は

                                        鶴田 伊津

     わたくしを脱出できないたましいは公孫樹黄葉をひたすらに恋う

                                        富田 睦子

     まずからだの芯を立たせる大輪の花としてまわりつづけるために

                                        錦見映理子


     長月の長雨のはざま庭なかの何処とも知れぬ鈴の音を聞く

                                        沼尻つた子

     どの世にも滴りはあり誰彼とともにあの橋渡らざること

                                        山内 頌子

     骨となる災殃(まがつび)の朝貴女(あなた)には日本語だけで

     伝へたい 火を                          玲 はる名



「66の座談会」は、50ページ強をつかって「近現代の女性歌人の歌を

読む!」 という企画。この企画そのものはとてもいいと思うのだが、

慾張り過ぎた感、なきにしもあらず。




11名の女性歌人の歌を取り上げているが、何を基準にしたのか曖昧だし、

統一感も見当たらない。もう少し、絞り込んでもよかったような。




総ページ数が88ページという大冊、メンバーの意気込みは大いに伝わって

くる。伝わってくるだけに、その盛り込み過ぎが、少々重く感じられたりする

のは、わたしだけの感想なのか?





                               2016年11月23日発行  

     

             

 

 

 

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