« 『はじめての短歌』 穂村弘 河出文庫 | トップページ | 魚上氷(うおこおりにのぼる) »

2017年2月 8日 (水)

「未來」2017.2 №781 未来賞受賞 第一作 他

「未來」の2月号を漸く読むことができた。

2月号は、「未来賞受賞 第一作」の3人の作品20首が掲載されている。

と、同時に「二〇一六年未来年間賞」受賞の3人も発表されており、

めでたさ満載の号である。




       〈未来賞受賞  第一作〉

      春そして東京に人あふれそう起こらなかった雪崩のように

      封筒に封をしてその隙間から逃がしてあげるいらない空気

                       「流れる一瞬の」 山階 基



      ひと月を賭して作りし稟議書の分厚き束に孔を穿ちつ

      天井の蛍光灯は間引かれて我らを淡くあはく照らせり

                       「生活と発光」 門脇 篤史

     

     よく募金している秋だ百円の重みを人に背負わせながら

     鑑定書付きの愛ならこのあいだ楽天市場で売られていたよ

                       「メグリズム」 本条 恵






3人3様の個性が感じられる。

門脇さんの歌は手堅い?し、この世に生きて(働いて)いる者の鬱屈さなどが

感じられ、わたしは好感を持った。

本条さんの若さが妬ましい(笑)。

     

     〈二〇一六年度未来年間賞〉

     東京にいるってふしぎ三月の窓辺にひかるぺきんなべたち

     ひときれのカツを置きたり日時計のさんいちいちの針動き出す

                      「さんいちいちの針」嶋 稟太郎




     ばんそうこうのような敬語がすれ違う仕事納めのエレベーターに

     風をたべたい風をたべたい 靴下のなかで頭を揺らす指ども

               「風をたべたい風をたべたい」安良田 梨湖

    

     茶器を湯に沈めつつ言う庭に咲くあのカロライナジャスミンは毒

     死を簡単に詠むなと夏の雛罌粟が諭すからもう微笑むだけで

                    「雛罌粟が諭すからもう」島 なおみ 







同号掲載の、

「未来」東京大会シンポジウムの野村喜和夫氏に聞く「詩形融合の

クロニカル」、聞き手 加藤 治郎 は読み応えがあった。

ことに吉岡実の詩のことを応えているあたりは、目から鱗が落ちる的に納得。




     

 

 

« 『はじめての短歌』 穂村弘 河出文庫 | トップページ | 魚上氷(うおこおりにのぼる) »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2032066/69524922

この記事へのトラックバック一覧です: 「未來」2017.2 №781 未来賞受賞 第一作 他:

« 『はじめての短歌』 穂村弘 河出文庫 | トップページ | 魚上氷(うおこおりにのぼる) »