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2017年4月 4日 (火)

『うた燦燦』 道浦 母都子  幻戯書房

百人一首から現代まで、エッセイの中に180首の歌を収録している。



         Ⅰ うた彩々

         Ⅱ ふり返り

         Ⅲ 口ずさみ「百人一首」

         Ⅳ あこがれ


4つの章で構成されており、Ⅰの「うた彩々」では、春・夏・秋・冬と四季に

わたっての歌を引用している。その中の秋の章から1首を。





        海を見よ その平らかさたよりなさ 僕はかたちを持ってしまった

                          服部 真里子『行け広野へと』から

 

        --略

        「海を見よ」の初句の強さから、結句まで一気に打ち下ろして

        いくような一首。「僕」は、ひょっとすると、海のことなのかもしれ

        ない。平らかで、たよりない、でも、かたちを持って存在する海。

        海の不安定性を呈示し、そこに、自分を重ねているのだろうか。

        -ーー略

道浦母都子の鑑賞がたのしい。




そして、Ⅱ章では、プライベートなことをさらりと綴っている。

『無援の抒情』により全共闘運動を象徴する歌人となってしまった著者の

心根が素直に語られている。





わたしはⅢ章の百人一首の鑑賞が好きだ。

固くなくて、読み易く、理解しやすい。自身に引きつけて鑑賞しているところ

など著者らしいと思いつつ読んだ。

                       2017年4月17日  2400円+税







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春の暖かな日差しを受け、天地万物が清らかで、生き生きするころ。

本日は「清明(せいめい)」であった。

福岡の桜も今日あたりが見頃だったようで、また明日から天気は下り坂。

ただいま、空には上弦の月が朧に浮かんでいる。

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