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2017年6月20日 (火)

『季刊午前』 第55号 2017

「特別企画『季刊午前』四半世紀を超えて」が組まれている。

       ーー略 ところで貨幣とはフィクションなのだろうか。想像の

       産物なのだろうか。ーー略


       --略 神話が現実を変えるのである。しかも「あっという間」に。

       神話とはフィクションであり、構想され、創作されるものである。

       ーー略          「フィクションの可能性」    片山恭一



片山恭一氏の文章は、示唆に富むものながら、哲学的?過ぎて、わたし

自身の理解の届かないところがあり、難儀(笑)をした。

(そういえば、10年以上前のことであるが、「未来福岡歌会」に片山氏をお招

きしたことがある。Kさんの伝(つて)によるものだった。

短歌の批評をして下さり、懇親会にも出席して下さった。その節は会費まで

払って下さり、ほんとうに恐縮してしまった。)


        今ならわかる。これは、ドア・イン・ザ・フェイスというテクニックで

        ある。最初に大きな要求を出しておいて譲歩したように見せ、

        結局思い通りに人を動かす。
                        「北川晃二先生のこと」 原口真智子

『季刊午前』の前身である『午前』の牽引者であった北川晃二氏のことを

原口真智子さんの文章は、氏を偲びつつ、師に寄せるひたむきな思いが

綴られていた。「北川先生は、いまだ私の人生の北斗なのである。」と結ばれ

ている。






この第55号には、4月にお亡くなりになられた宮本一宏氏の「追悼」も編まれ

ている。橋本明氏の「卯の花の咲く頃に」、坂口博氏の「修羅を生きて」を

熟読。橋本氏の「訃報はいつも突然に、である。」の言葉に納得。文学散歩

の写真が一葉掲げられていたが、その中にS・Tさんの姿も見える。彼女から

頂いた宮本先生の著書2冊は今もわたしの書棚にある。





       『近代詩人の内景(発見と追跡)』 桜楓社 1984年  宮本一宏

       『北原白秋(物語評伝)』 桜楓社 1986年    宮本一宏



書棚から取り出してみたら、中からはらりと手紙が落ちてきた。

「でも胸の内にはあれこれと書きたいことが渦巻いております。書きたい

ということと、書けるということは別のもののようですね。」和柄の便箋に

書かれたことばにS・Tさんの当時の焦燥感が伝わってくる。







さて、さて、この号の詩や小説に触れたかったが出掛ける時間が迫ってきた。





昨夜、読んだ田島安江氏の「紫の花に」には、中城ふみ子の『乳房喪失』や

渡辺淳一の小説『冬の花火』がちらりと出てくる。主人公の「みちこ」は、新聞

に投稿をしている短歌を詠むひとなんだ。そして、その母親も……

               


               平成29年6月20日 季刊午前同人会  800円+税

 

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