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2017年7月25日 (火)

歌日記『花眼の記』 道浦母都子 本阿弥書店

書棚の本を探していたら、ふと目にとまった道浦母都子のエッセイ集。

日記と短歌で綴られた歌日記である。

総合誌『歌壇』で2003年4月号から2004年3月号までの1年間連載された

ものである。

ぱらぱらと捲ってみると、歌が実にいい。

2003年といえば今から14年も前になるのだけど、現在の2017年に

置き替えてもちっとも古びていない歌たちである。

        歌つくり楽しかりしはいつまでか〈口語くらくら 文語しんしん〉

        世はなべて「あきまへんわ」の天(てん)こ盛(も)り然(さ)なり

        然なりと葭切が鳴く

        肩の力抜いて生きたら此の世とは草木(そうぼく)笑う朝明野

        (あさけの)のみち

道浦母都子の等身大の歌たちである。

気負わず、衒わず、自然体でうたわれた歌のかぐわしさ。

                          2004年5月5日 2300円+税

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書棚で探していた本は、道浦母都子さんの『食のうた彩事記』(彌生書房

1995年10月)だった。そのエッセイ集には「鰻」のことが書かれてあり、

万葉集の一首が引用されていた。

そして、それに添えられていたエッセイと歌一首。いま読みかえしても涙が

滲んでくる。





       石麿(いわまろ)にわれ物申す夏痩に良しといふ物そ鰻取り

       食(め)せ         (巻第十六 三八五三)



       愛を得てまろらとなりし九州の女性(ひと)の声音(こわね)は

       蜜のごとしも               道浦 母都子








そういえば道浦母都子さんの次の歌集は、いつ出るのかしら。

読みたいなぁ。(待つとうけんね。)




本日は土用の丑の日、〈鰻〉を買いに行かなくちゃ。

(ウナギの嫌いなかたはウのつくものなら、いいらしいよ)

 

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