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2017年10月10日 (火)

『友情』 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」 講談社

リビングのテーブルの上に置いてあった本。

表紙のお二人の写真の笑顔がとても素敵で、つい手にしたら、

ぐいぐいと引き込まれ、おしまいまで読んでしまった。

2010年9月、「週間現代」の対談がきっかけで友人になった

平尾誠二(ひらお・せいじ)氏と山中伸弥(やまなか・しんや)氏。

お二人が出会って2年のちに山中氏はノーベル生理学・医学賞を

受賞している。

そして、平尾誠二氏は、2016年10月20日、息を引き取る。享年53歳。

あまりにも若い死であり、その病は伏されていたこともあって、ラグビー界に

衝撃が走る。

癌の治療方針にあたっては、平尾誠二氏は山中伸弥氏に全幅の信頼を

寄せ、山中先生と呼び、全てを委ねていたようである。

         四十代半ばを過ぎてから男同志の友情を育むというのは、

         滅多にないことです。なんの利害関係もなく、一緒にいて

         心から楽しいと感じられる人と巡り会えた僕は幸せでした。

                               ーー山中伸弥





         二人だけの食事、仲間とのゴルフ、家族ぐるみのお付き合いを

         重ねるにつれて、山中先生と主人の結び付きはどんどん

         深まっていきました。

         そして、主人の闘病生活が始まってから、二人の心がどれほど

         強く結び付いているかを、私たち家族はあらためて知ることに

         なったのです。            ーー平尾惠子(誠二氏夫人)









読みながら、涙が零れて泣いてしまう。

誠二氏が抗癌剤の投与を受けた日の夜、病室から見たスーパームーンが

あまりにもきれいだったので、二人(夫人と)で病室を抜け出し、散歩をする。

「けいちゃんがずっと幸せでいられるように」と、願いごとが叶うと言われる

スーパームーンにお願いをする誠二氏。







2019年のラグビーワールドカップ日本大会、

日本代表監督を志半ばで断念することになった誠二氏。

きっと、山中先生は誠二氏の行きたかった試合会場へ亡き誠二氏を

伴うことだろう。






               2017年10月3日 第一刷発行  1300円+税

 

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