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2017年11月 7日 (火)

「八雁」 2017年11月 №.036

特集の「渡辺京二氏インタビュー&訪問記」がすこぶる面白い。

渡辺京二氏は『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞)などの著書でつとに

高名なかたである。そして、石牟礼道子さんの介助(?)の様子を新聞などで

知るに及び、その動静に注目している一人でもある。

このたびのインタビューでの語り口が熊本弁 ? なのかどうかわからないが、

フランクな独特な味を醸し出し、思わず笑ってしまうこと度々であった。



    渡辺   うん、うまいっていうか、高度になってるわな。……あれは

          ヤツシカって読むの ? 八鹿って書いて。あなたの短歌雑誌。

    阿木津  ……あ、ヤカリ、です。カリ。

    渡辺   カリだったか、シカじゃなかった。やつしかーーあれは焼酎

          の名前だった。(笑) ごめんなさい。(笑)日本酒の名前

                       だったか。やかり、って読むんだな。


冗談とも本気ともつかぬ会話で、阿木津さんがからかわれたかな、(笑)と

思った次第。しかし、真面目なお話も勿論している。 

40年ぶりに作った歌を紹介したいが、読みたいかたは「八雁」の№ 036を

ご覧あれ。京二氏の言うには「療養所仲間が出した文集に掲載したもの

ですから。安心してーーというよりも、油断したんでしょうな。(笑)」らしい。






「文学に未来はあるか」の設問には下記のように答えている。

 

 

     渡辺  未来があるかないか、そんなことは関係ないよね。やりたければ

       やりゃいいわけでね。必要であれば。文学に未来があるかどうか

      なんて、そんな客観的なーー観察だからね。客観的にどうであろう

      が、未来がなくたってさ、自分が必要とすりゃ、やりゃいいだけの

      話ですね。うん。おわり。(笑)



この同じ号には渡辺幸一氏の「形式と韻律の力を信じて」の真摯な時評が

掲載されている。「短歌研究新人賞」受賞の小佐野弾氏の「無垢な日本で」

に触れつつ、下記のように記す。

       私が注目したのは小佐野の作品が同性愛者としての個人的な

       哀歓を超え、社会的な批評性を備えている点である。そのために

       作品は自閉的になることを免れ、むしろ読者との間に対話を

       求めている趣きがある。--略


そして、「重要なのは流行に乗ろうとして目先の新奇さに走るのではなく、

今自分にとって大切なものをまっすぐに見つめ、短歌の形式と韻律の力を

信じて詠う姿勢である。--略」と、自らに向けて書いている。

 

 

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