« 2018年1月 | トップページ | 2018年3月 »

2018年2月

2018年2月27日 (火)

季節の便り③ 月齢カレンダー

2月が逃げてしまう。

逃げてしまうというのに、現実逃避したくなるのはなんということか。

忙しいときに限って、あれやこれやとよけいなことをしてしまう。

そして、M さんから頂いた、机上の月齢カレンダーをためつすがめつ。

おお、そうだ、昼間の日差しを思い出し、今夜は月が綺麗な筈。

満月が3月2日だから、今夜は13夜でなく12夜か。






月に慰められて、ちょっとの現実逃避。



戻れば机上散乱、あれを探し、これを掘り出し……

とにかく、もういいよ。

もういいさ。

3月よ来い。

          


                         春寒の灯を消す思ってます思ってます

                 池田澄子『思ってます』(ふらんす堂 2016年7月)

2018年2月24日 (土)

春宵(しゅんしょう)の酒場にひとり酒啜る……

本日は、2011年2月24日に亡くなった石田比呂志さんの、

祥月命日である。

        春宵(しゅんしょう)の酒場にひとり酒啜る誰か来(こ)んかなあ

        誰(た)あれも来るな     

                   『九州の傘』(砂子屋書房 1989年1月)



亡くなった翌日の熊本日日新聞のコラム「新生面」の記事は、石田さんを

活写していた。

        ーー略 無頼を気取っても、隠しきれない寂しさが全身に

        漂っていた。酒場から自宅に送ると、「一杯だけ飲んでいけよ」と

        ドスの効いた声で脅迫し、上がると喜々とした表情で手料理を

        振る舞った……略




今年の第七回琅玕忌(2月17日)は、大分県中津市山国町の「やすらぎの郷

やまくに」で営まれた。

山国はその地名のように、まさに山の国であった。中津から迎えの車で

行ったのだが、走れども走れども山の中。途中左手に耶馬渓の青の洞門が

見えた。

こんな山の中に石田さんは30年近く短歌の指導に毎月通っていたのだ。

地元の方々の熱心さもあったことだろう。そんな縁で山国川の岸辺に

石田さんの歌碑が建ったのだ。地元の短歌愛好者の方々の温情あっての

ことだろう。

今年は歌碑見学を兼ねて、吟行歌会となった。

周辺には国指定天然記念物の「猿飛甌穴群(さるとびおうけつぐん)」が

あり、名勝の魔林峡や念仏橋がある。まさに風光明媚な場所であり、

山国川の水音のきこえる静かな所であった。

       岩床を穿ち流るる山国の源流永遠に水に声あり


石田さんの力強い直筆のいしぶみであった。

 

2018年2月10日 (土)

歌集『褐色のライチ』 鷲尾三枝子 短歌研究社

2014年2月10日にお亡くなりになられた小高賢さん。

その夫人の鷲尾三枝子さん(「かりん」所属)の第3歌集。

 

     今日ひと日今日をひと日と生きて来しけんめいなりし母の晩年

     職退きしきみの心をしみじみと問うこともなく梅もうまばら

     亡き人は渇かぬゆえに墓石にそんなに水をかけてはいけない

     妻よりも先に死ぬこと当然と必然といい眠ってしまいぬ

     もっとそばにいてあげれば 悔いがいま夜の白雲のようにうごかず

     きみの言葉のどこにもきみの声があり最後の短きメールの中も

     いかなる科のわたしにありて 手もとらずひとりで夫を逝かしめたりき

     褐色のライチをむけばぽっとりときのうの月の白さ出できぬ

     夫のなき時間をわれは生きつぐか秋よぶ月光(つき)が軽羅のごとし

     かたわらにありし体温おもいつつ金曜のデモに行かんとおもう

本書の前半には母のいのち(死)のことが収められている。

1首目、3首目は「母」のことであろう。「五月の連休にわたしの母が亡く

なった。九十三歳だ゛った」との詞書もある。


小高賢さんの享年は69歳。

5・6・7首目と、慟哭のような歌がせつない。

「もっとそばにいてあげれば」の思い、「手もとらずひとりで」逝かしめた

悔いは、思っても思っても解決しない。

しかし、9首目の歌のように「夫のなき時間をわれは生きつぐ」しかないのだ。


小高さんといえば「棒を折るわけにはゆかぬ金曜日『国会議事堂』前の

夕暮れ」と、毎週金曜日に行われていた首相官邸前のデモに参加していた。

氏の遺歌集『秋の茱萸坂』も、国会議事堂の南側を下る坂のことで、歌集の

タイトルになっていた。


鷲尾さんは、氏亡きのちのつらい月日を過ごし、ようやく1冊に纏めたのだ。

「この数年の苦しい時間を、短歌は寄り添うように傍らにあったと実感して

います。歌は思っていたよりずっとつよく私を支えてくれるものでした。」と

記す「あとがき」のことばが重い。

                         平成30年1月18日  2500円+税



☆   ☆

小高賢さんの遺歌集『秋の茱萸坂』の感想は、当ブログの2014年11月26日に

あります。この中で小高さんの亡くなられた日付を2月11日としていましたが、

このたびの鷲尾さんの歌集の「あとがき」によって2月10日ということを知り

ました。2月11日は誤りでした。訂正してお詫びいたします。

2月10日、本日は小高さんの祥月命日でもあります。

2018年2月 1日 (木)

季節の便り②  二月には甘納豆と坂下る 坪内稔典

気がついたら2月になっていた

            あら2月

            もう2月なの

            わたくしが

            われに耳打ち

            してゐた夢に    miyoko


右肩の凝りに脅かされた1月であった。

ついに整形外科へ。飲み薬と湿布の日々であった。

1週間過ぎても治らず、ふたたび病院へ。

レントゲンを撮って貰ったけど、異常ナシ。

この肩凝りは、原因を断たないとダメみたい。

原因はあるにはあるが……さて、どうしたものか。

まぁ、それはともかくとして、

             みんなして春の河馬まで行きましょう    坪内稔典

« 2018年1月 | トップページ | 2018年3月 »