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2018年3月

2018年3月30日 (金)

『九州の歌人たち』 現代短歌社

企画編集 阿木津英・黒瀬珂瀾・五所美子・恒成美代子・馬場昭徳




収載歌人は、原則として2000年までに没した九州在住の歌人を対象。   

     淺利良道・徳田白楊・金石淳彦・山口好・山本詞・岩本宗二郎・

  三苫守西・京子 西田嵐翠・中島哀浪・二宮冬鳥・持田勝穂・中村三郎・

  菊池剣・島田尺草・津田治子・伊藤保・宗不旱・黒木傳松・安永信一郎・

  桃原邑子・小野葉桜・森園天涙・東郷久義・浜田到。

  




     他に、「歌人群像」として、

                  炭鉱の歌人たち 

                  八幡製鉄所と門司鉄道局

                  檜の影短歌会

  

    

     インタビューとして、

                  亀ノ井別荘隠居 中谷健太郎

                  菊池恵楓園    畑野むめ

                  森園 俊

冒頭の企画編集の5名がそれぞれ担当して執筆。

本アンソロジーは、『現代短歌』2013年9月創刊号より2015年12月号まで、

28回にわたって掲載された「九州の歌人たち」を初出とし、単行本化に

あたって加筆訂正を加えたものである。


歌集原本の旧字などをそのまま採用しており、資料としても役立つと思い

ますので、どうぞ、ご購入をお願い申し上げます。(執筆者の一人としての

お願いです。申し込みは「現代短歌社」へ。)


                            あとがき   「九州の歌人たち」企画編集委員一同

                 発行日   2018年3月10日

                 定価    2500円+税

 

 

2018年3月27日 (火)

「夜空のおとしもの」 第二号

「高校生の高校生によるすべての人のための歌集」と副題が付いた歌集。

若葉色の表紙がすがすがしい。

総勢20名の30ページの小冊子。

この第二号が縁あってわたしの手中に。

読みながら、こころがふるえてくるようにうれしい、たのしい。

短歌を詠む(作る・書く)高校生がこんなにいるなんてうれしい、たのしい。


  「美しく夕日が見える部屋なので英リス追試はその教室で」     小梅

  書庫のなかわたしと君しかいないから息する音を合わせてみようか 同

 

  長いのは「山鳥の尾」でも「夜」でもなくあなたの前置きだと思います

                                      瑠美那しお子

  何もかもわかりあえないこの街で夕日の輝きだけが本物     同

 

  あの街で君が笑ってくれたから桜前線開花宣言        苺牛乳

  込み上げる涙の表面張力を使って笑う桜満開          同

 

  黄昏の忘れられない神社にて「ごめんなさい」があの日に溶ける  遊馬

  僕たちは アイになるため手を伸ばす 透かした空は刹那に見えた  同

 

  ひと夏の忘れきれない思い出はアクアリウムの片隅に置く   樫田寿宗

  やませ吹く昼の盛岡心地よくここに住みたい冬を除いて       同

 

  数年後はからず思い出すだろう部室の裏の柵の越え方      太子

  東京に行くんかお前 お前もか なんなんみんな寂しなるやん   同 

  
  誰もいない展望台の駐車場を横切るときの小さな自信  

                                    池田明日香

  空回りする言葉たち五月には忘れてしまう話をしよう     同

 



もっともっと挙げたい歌ばかり。

最後にこの歌集を企画した ?  池田明日香さんの編集後記を。

      この度は、本誌『夜空のおとしもの』をお手にとっていただき、

      誠にありがとうございます。昨年発行した第一号が好評だった

      ため、第二号を発行する運びとなりました。参加してくれた高校生の

      みなさん、ありがとうございました。私はこの春高校を卒業しま

      したが、これからもこの歌集を発行していきたいなあ、と思って

      います。またどこかでお会いできることを祈っています。隅々まで

      読んでいただき、ありがとうございました。

                    

                    発行日 2018年3月15日

                    発行者 池田 明日香

 

 

 

2018年3月26日 (月)

歌集『首長竜のゆふやけ』 藪内眞由美  北羊館

「夕焼けを見ていると、引きこもりがちな自分が粒子になって茜色の空の

なかに溶けてゆき、こんな私が存在することもゆるされるような気がして、

とても安らかな気持ちになります。」とあとがきに記す第一歌集。

「海市」短歌会に所属。


   ただ立つているだけなのになつかしい百葉箱はあなたでせうか

   落ちてくる雨があまりに疾いからわたしはわたしを流せずにゐる

   小刻みに動く男ののどぼとけ分かりあへないもののひとつに

   わが膝を指定席のごと座りゐる子とふたりなり春の日の午後

   雲ひとつない青空といふこゑがきこえて雲はかなしくなつた

   息継ぎの下手なわたしはよく沈む結婚、出産節目ふしめに

   教科書の子規の頭に毛を描きて窓のむかうの雲を見てゐつ

   さみしいと言へばいいのに怒らずにさみしいんだとたつたひとこと

   なぜだらう やさしい人からゐなくなり昼の空にはかさぶたの月

   かあさんが私の頭を踏んでゐる 娘のこゑが理解できない




2003年から2017年までに作った歌ということで、満を持しての出版だろうか。

一人の女性の日々が詩情豊かにうたわれている。

ことに6首目などに、この世に産まれることなく亡くなったいのちに対する

自らへの責めのようなものが尾を曳いている。


8首目の歌は、相手を特定はしていないが、心にひびいてくる。これは

自分自身の呟きともとれそうだ。

子育ての日々は終わりがあるようでない。


10首目の歌に母子の気持ちの齟齬がうたわれている。娘の心は自立した

がっている。だけど、母親である作者にはまだ幼い日のままの娘なのだ

ろう。



丁寧に丁寧に自分の心を凝視めていることの窺える一集だった。

傷つきやすく、もろく、はかないような、作者の心の内面。

清冽な空気を纏った第一歌集であった。


                                     帯文 江畑 實

                 跋 「才媛素描」 中川 昭

                 2018年2月25日発行   定価 2700円(税込み)

 

2018年3月23日 (金)

季節の便り⑤ 花粉症と風邪

ことしの春は花粉症がひどい。

花粉症がつらくて、電話に出るのもつらかった。

長電話の友 S さん  に、電話で話すのがつらいから「電話しないでね」と

お願いしたのは 一週間前だった。

ところが、花粉症だとばかり思い込んでいたら、なんと、なんと、

風邪にかかっていたのだった。

道理でからだがだるいなぁ〜と、思った。



近くの病院に行き、薬を出してもらう。

喉もイガイガするのでトローチをいただく。

うがい薬は普段から使っているので、それをこまめに使うことにした。

一週間たって、ようやく、風邪も落ち着いた。

落ち着いたと思ったら、とたんに、あれやこれやと気になる。

机の周辺の本の山。

資料や、パンフレットや、チラシや、紙類がどさどさと積まれている。








片付けながら、あれをしたり、これをしたりで片付かない。

まぁ、いいやと空を眺めれば上弦の前の前の月が傾きかけている。

あの星はアルデバランかしら、などと思いつつ眺めていた。



そういえば、明日はもう彼岸明けみたいだ。

2018年3月15日 (木)

季節の便り④ こぶし開く

こぶしの花が咲きはじめた。

竹下2丁目の交差点(五叉路)の緑地帯にはこぶしの木がある。

そこを通る時はいつも上を仰ぎながら通る。

今日、通ったら咲きはじめていた。

温度に敏感なこぶし(辛夷)なんだね。

農家ではこの花が咲きはじめると種を撒くとか。


火曜日に行った春日では、コミュニティバスに乗り遅れて、お天気も

いいし歩いてみた。

歩数計が5000歩くらいになった。

汗ばむほどの陽気であった。

でも、その歩いたおかげでミモザの花に会えた。

大木のミモザは真っ黄色な花をほわほわとつけていた。




      さくらの花芽はやも尖りて来む春へ携へゆかな夢のつづきを

      花の斑(ふ)ふの黒きまなざし遊蝶花(パンジー)はほほゑむやうに

      陽に向き咲けり

      春愁といふのはやめて わたくしの心の奥にもつと触れてよ

                        『ゆめあはせ』(砂子屋書房 2002年)

 

2018年3月 7日 (水)

映画「北の桜守」の試写会へ

サユりストならずとも吉永小百合を好きと応える人が多い。

本日は連れ合いと試写会へ行ってきた。

座席500位あるらしいが殆ど埋まっていた。


戦中・戦後を生き抜いた母子の物語。

母親てつを吉永小百合、その息子修二郎を堺雅人。

2人で各地を旅し、記憶を拾い集め、蘇らせる。

記憶に向き合うのは怖いことだけど、記憶に向き合うことによって

前に進むこともできるのだ。(時に忘れたい記憶があるにしても…)


結婚を申し込むために訪れた(佐藤浩市)、この時てつ(小百合)は白妙の

喪服で迎える。結婚の申し込みを断るための喪服であった。(目の覚めるような

美しい小百合さんだった。)






何度も何度も涙が出て、ぐちゃぐちゃに。

今日は花粉症もマックスみたいで、目は痒く、くしゃみばかりの日だった。

沈丁花も咲き始めた。



「北の桜守」は3月10日封切り。

是非、ご覧あれ。

2018年3月 2日 (金)

「岡井隆の娘たちが読む」を読む満月の夜

月の光に誘われて夜の散歩。

セブンイレブンが「おいで、おいで」をしてるものだから、立ち寄った。

立ち寄ってよかった。

岡崎裕美子歌集『わたくしが樹木であれば』(青磁社 2017年)の、1首評。

6枚のネットプリントを受け取った。

池田はるみをはじめ総勢16名の岡井隆の娘たちがこれぞという1首を選び、

〈渾身の愛〉を込めて綴っている。

         岡崎さんは可愛い人だ。         池田はるみ

         肌が冷たいなあ、と思う。         嶺野  恵

         これを性愛ファンタジーと言うべきなのか。 松原未知子

         裕美子が愛おしい。            田中  槐





あ、これは1首評のタイトルではなくて、称賛のことばの抜粋。


たれからも愛され、慕われている、岡崎裕美子。

わたし自身は、古川順子の書く「時に痛々しくて泣いてしまいたくなる」に

共鳴。



すてきな、すてきなペーパーになっていた。

企画した本多真弓は功労賞。(企画したればこそ、読むことができた。)

そして、山階基のデザインはセンスがよくて、ほれぼれしてしまう。



          産めなどと吾には言わぬ父なりき柩を雪の中へ押し出す

                    『わたくしが樹木であれば』 より

 

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