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2018年5月28日 (月)

「林芙美子 貧乏コンチクショウ」  世田谷文学館

7月1日まで開かれている「林芙美子 貧乏コンチクショウ」展(世田谷文学館)

に行った。副題は「ーーあなたのための人生処方箋ーー」。


林芙美子といえば、「林芙美子文学賞」が平成27年、創設された。

(事務局=北九州市立文学館)毎年、選考委員は、井上荒野・角田光代・

川上未映子氏の3名。この3名による記念トークが毎年北九州で開催され

好評。


それは兎も角として、世田谷文学館の展示は、観やすく、解かりやすく、

親しめた。今回の展示の一押しは、芙美子の詩をカードにして観覧者が

自由に持ち帰ることが出来ることだった。


              貧乏神

          明日の日に困っても

          私はまだ私全部を投げだしたくはない

          ころがしようが一ツでサイの目だって

          一と六との勝負があるではないか

                             ーー略

               「マヴォ」1925年7月号


芙美子は貧乏だったに違いないが、そのバイタリティは凄い。

「馬鹿にするな 馬鹿にするな」や「力だ 力だ 力だ ! 」 と、怪気炎(笑)を

吐く。そして、時には「男なんか どうでもいいの 抱きあって 寝るだけの

こと」と、書いたりしている。


しかし、林芙美子の情(じょう)の厚さは養子にした「泰」に送った旅先からの

ハガキなどで一目瞭然。「長崎にて おかあちゃま」の文面には泣けて

しまった。


           花のいのちは

           みじかくて

           苦しきことのみ

           多かりき

               林 芙美子


代表作品『放浪記』だけの芙美子でなく、泰に手網のセーターや

手製の洋服を着せる母親でもあったのだ。「何よりも、愛らしい美しい

家を造りたいと思った。」芙美子の念願は淀橋区下落合に完成している。

生活を大切にした芙美子の拘りの家でもあったのだ。

その旧居を保存、公開したのが、現在の「林芙美子記念館」なのだろう。








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ところで、世田谷文学館で頂いた「世田谷文学館ニュース」を帰宅して

開くと、館長の作家対談のゲストに馬場あき子さんが登場していた。

着物を着て、すてきな笑顔の写真が掲載されていた。

このたびの対談も実に示唆に富むお話ばかり。



          ーー略 私は現代の口語はもっと磨かなければいけないと

          思います。口語で短歌をつくることが、型というものの

          なかで、今の言葉を磨いていくことになるならば、それも

          また素晴らしいと思います。







          --略 私は死なないものをつくるためには、死なないものを

          勉強しなければならないと思ったのです。

 

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