テレビ NHKスペシャル「樹木希林を生きる」
PM7:30〜8:45 のNHKスペシャルを視聴。
長期密着取材の樹木希林さんのドキュメンタリーだった。
癌で余命宣告されながらも、粛々と映画の撮影に取り組む日々。
みごととしかいいようがないのだけど、希林さんにとっては「ふつう」の
ことかも知れない。
ごく自然体でこの番組に応じているのだろうが、視聴者としては感情移入
してしまう。
車を自ら運転して木寺ディレクターを送り迎えしている。
車を運転しながら発する言葉はどれも「樹木希林」のことばだった。
「若い頃はケンカ早くってね」 「仕事がなくなるかもと思った」
映画「万引き家族」のミーティングで、是枝監督に「他人をずるずると家に
入り込ませる」設定に納得がいかないと疑義を呈していた希林さん。
その精神の健康さ ? 。是枝監督は希林さんの言葉で脚本を辻褄の合う
ように、少しカバーしている。
希林さんはマネージャ―も付けていない。(そういえば、フジコ・ヘミングも
マネージャ―を持たない主義だった。)
レストランに呼び出された木寺ディレクターに見せた癌の転移の写真。
これを出せば、この長期密着取材も少しは見せ場があるでしょ ?
(文言が違っていたらごめんなさい。)
ここまで番組のことを思い遣る心根。
人生の晩年を、死に際を「未熟なまんまで終わるもんじゃないかな」と、
サラリと言う。
最後の後ろ姿、歩み去る際のことばが「電車がなくなるよ。」(たぶん、
木寺ディレクターに掛けた言葉 ? ) そういう気配りのする人だった
希林さんは。
この番組の再放送があったら是非観てほしい。
再再放送があってもいい。
みんな何かを受け取ると思う。
〈生きるとは〉とか……