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2019年1月 9日 (水)

歌誌「月光」と、短歌同人誌「穀物」

歌誌「月光」は、№57は佐久間章孔『洲崎パラダイス・他』の特集であった。

佐久間さんの歌集を読んではいないのだが、今号に掲載されている歌を

3首引用したい。



     終焉(いやはて)の身に降り注ぐ薄ら日よ幼年の庭にわれをかえせよ

     夕闇は水なのでしょうほの白い二の腕がただ浮いております

     昭和史の狭間に揺れる灯火(ともしび)は面影滲む洲崎パラダイス


寄稿者の文章が実にいい。

佐久間さんの歌集を読んでいなくても(読んでいないがゆえに‥?)、その

抒情の在り処を探りたくなってくる。

     
    (略)昭和という時代は、ゆるぎなき表現根拠として息づき続けている。

                                  藤原龍一郎

    
    (略)歌の底に流れる時間の重量を感じ取ることだろう。

                                  東郷 雄二

 

    (略)「日本」に対する冷徹な視線が、この歌集全体を覆っている。

                                  山田  航


東郷氏の文中にあるように「一見すると昭和ノスタルジーと思われるかも

しれないが…」の留保つきの文章がぐいぐいと迫ってくる。

『洲崎パラダイスは・他』は、素晴らしい書き手によって、より一層光彩を

放っているようだ。




さて、さて、短歌同人誌「穀物」も5号となった。

組板・装幀は山階基。丁寧なセンスの良い装幀である。

残念なことに、今号は小原奈実が欠詠している。かてて加えて、ちょつと

大人し過ぎるのではないかと思ったりしている。

あの第3号での皆さんのパッションはどこへ行ったのか ?

第3号の特集座談会「短歌を生きていくための深呼吸」には、引き寄せられた

ものだ。マーカーをつかって熟読したのに……

みんな忙し過ぎるのかしら。

      置き去りの貨車に絡まる蔦の葉よこれはおまへの柩ではない

                       「翅ある人の音楽」 濱松 哲朗



cat    cat

セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ‥春の七草。

7日朝には、七草粥を食しました。

福岡歌会のOさんに頂いたクレソンをルール違反と知りながら、入れてみた。

セリと変わらぬくらいの美味であった。

クレソンは水の綺麗なところにしか生えないそうである。


「清水(せいすい)に魚棲まず」という譬えもあるにはあるが…

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