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2019年1月 6日 (日)

『めくるめく短歌たち』 錦見映理子  書肆侃侃房

「NHK短歌」(NHK出版)に2013年10月〜2017年3月までに掲載された

「えりこ日記」を加筆・修正したものが根幹をなす、歌に寄せるエッセイ集。




錦見さんらしい、お洒落でセンスの良いことば・ものが溢れている。

そして、彼女を取り巻く人間関係の濃密さ。

その濃密な関わりに、爽やかな風が吹き渡る。

(折々に挟み込まれたプライベートな語りに、錦見さんの人生を感じたりも

 した‥‥知らなかったことばかりであった。)


どの章も選ばれた歌・ひとたちが素敵な一語に尽きる。

その中で「魚の骨事件」の高島裕(たかしま・ゆたか)さんのエピソード。

          か、かわいい……

          これはやばい、と思った。怖くてかわいい男性に、

          私は猛烈に弱いのであった。(略)

          風まとふ女神のやうに駈けてきてわが助手席に

          身を沈めたり      高島 裕 『饕餮(たうてつ)の家』


そして、「宝物はふくろう」の大島史洋さん。

著者の錦見さんも「民芸品が好きで、土鈴や張り子の動物などを旅先で

見かけたら、必ず買う。」そうである。

          琅玕忌終えて熊本空港に泥面子(どろめんこ)なるおもちゃを

          買いぬ         大島 史洋『ふくろう』  

大島さんの気配りの籠る「おーい、こっち入れるよ」の声がきこえてくる

ようである。


そういえば、お正月の旅先で見かけた山頭火の句。

その句を読んだ時、すぐに大島さんのことを思い出した。

          ふくろうは

          ふくろうで

          私は私で

          ねむれない      山頭火






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旅のお供をしてくれた錦見映理子『めくるめく短歌たち』

              宮下奈都『緑の庭で寝ころんで』(実業之日本社)

              町田康『猫のよびごえ』(講談社文庫)

読了。宮下奈都さんの新刊は年末に紀伊國屋で手に入らなかった。


さぁ、来週から気力・体力でガンバル。

 

 

 

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