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2019年2月 5日 (火)

『ふりかえる未来』 清水昶  九藝出版

ジュンク堂書店(MARUZEN)に、文具を買いに行ったら

「第二回 冬の古書市」が開催されていた。

なに、なにと品定め。しかし、なんということか眼鏡を忘れて

行き、しっかり選べない。


それでも、文庫など4冊を買った。(岩波文庫『赤光』。講談社学術文庫『茂吉

秀歌』塚本邦雄。この『茂吉秀歌』は、同じ講談社学術文庫ながら、1077と

1155の2冊になった。1077の方は自宅にあったもので、1993年の初版。

1155の本日買った方は1994年12月発行のもの。表紙の題字が少し違う。)

2冊もどうするのだ‥‥



その古書市でショックだったのは、清水昶の『ふりかえる未来』が200円で

売られていたことだ。癪に障ってよっぽど買おうと思ったけど、やめた。

そこで7日(会期中)まで堪えるがいい。どこぞの人の手には渡らん ?

(清水昶の本は殆どわがやの書棚にはあるのだ。)

帰宅して、その『ふりかえる未来』を繙く。

清水昶の対者(対談)の相手の吉増剛造も福島泰樹もすご〜く若くて

カッコいい。それもその筈、初出は吉増剛造「詩が移動している」は昭和

48年、福島泰樹の「精神の白夜から乱調の美」は昭和50年の週刊読書人。

今から40年以上も前の写真であり、福島さんは30歳をちょっと過ぎた年齢

だった。


この対談が実に面白い。

いま読んでもちっとも色褪せず、福島さんの言質にブレがないことだ。

 

     (略)

     自分の歌が変わったと思われたのは、六四年に、一文闘争と

     いわれている自治会闘争があったんですよね。その中へ自分が

     コミットしていくようになったときから、自分の中の、抒情の変革と

     いえば大げさですけれども、それまでナルシシズムというかセンチ

     メンタリズムというか、そういう形で短歌をとらえてきたんですけれ

     ども、そうじゃなくて、何か訴え、呼びかけていく形式ということを

     非常に意識しはじめまして、そうしたら、短歌というのは、もちろん

     五句三十一音、定型なわけですけれども、それが呼びかけの詩と

     して、いろんな意味で機能し得るんじゃないかということを強く感じ

     ました。(略)


〈ふりかえる未来〉とは、なんとまぁ良いタイトルなのだろう。

そして、清水昶の「あとがき」の結語が身に沁みる。


     (略) この世で生を持続させることが、すなわち思想の完結で

      あるというもっとも平凡な発想に賭けていくほかはないのである。

 

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