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2019年3月12日 (火)

21 季節の便り  「夢の世と思ひてゐしが辛夷咲く」   能村登四郎

コブシの花が咲いていた。

コブシの花を見ていると、なんだかせつなくなってくる。

真っ白な花びらが風にそよいでいた。

       昨日(きのふ)出来今日なせざるを老いとよぶ 医師言ふ

       老いをわれは得にけり      星河安友子『歳月はかへらず』



本日の鑑賞は星河安友子歌集より。

この歌をUさんが含蓄に富む鑑賞をした。そのUさんのことばを聞きながら

みんなしんみりしてしまった。

     

       ねぇ、まったく赤ちゃんと老人って反対よね。

       赤ちゃんは、昨日出来なかったことが、今日出来たりするし…


そういえば、子育ての頃のはるか昔のことを思ったりした。

昨日まで出来なかった寝返りをした時の喜び。

部屋の中でハイハイが出来るようになった時の喜び。


スプーンで自分で食べることが出来るようになった時の驚き。

1日1日、子どもは昨日出来なかったことを、今日は出来るようになった。


そして、今、わたしたち(?)は、昨日出来てたことが、今日は出来ても

明日は出来ないかも知れない。

星河さんの歌のように「昨日(きのふ)出来今日なせざるを老いとよぶ」のかも

知れない。

かなしいことだけど、そういうことなのだ。


ことしはお雛様を飾るのをためらったけど、このためらいは「老い」かも

知れない。片づける手間のことを考えたら躊躇してしまったのだ。

でも、ガンバってお雛様を今年も飾った。


飾ってよかった。お雛様に向かっていると心がやさしくなれた。


そうして、本日、お日和がいいので、片づけた。(やれば、出来るじゃん。(笑))


        夢の世と思ひてゐしが辛夷咲く   能村登四郎

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