« 「ヘビーヴァース 人間を差し出す歌」『短歌』 2019年5月号 | トップページ | 歌集『さらぬ別れ』園部みつ江 ながらみ書房 »

2019年4月28日 (日)

『ツバキ文具店』 小川 糸 幻冬舎文庫

鎌倉で小さな文具店を営む鳩子。

鳩子は文具店を営むかたわら、代書を請ける仕事もしている。

代書とは手紙や葉書などを依頼人に代わって書く仕事である。

時に風変りな依頼が舞い込む。

その一つ一つに心を込めて便箋や封筒を選び、貼る切手まで考える。

筆記用具を何にするかというのも大事なことで、その依頼にいちばん

相応しい筆やペン、ボールペンなどを選ぶ。(いまどき、代書屋って

あるのかとネットで調べたら、あったのだ。)

 

折々に登場する鎌倉の風物。

そういえば、数年前に江ノ電に乗って鎌倉に行った。

Kさんと歩いた小町通り、鶴岡八幡宮などを思い出した。

あじさいの季節ではなく、長谷寺には行かなかったけど、鎌倉は

また行きたい所だ。

そして、由比ヶ浜海岸の夕日も見たい。

 

 

絶縁状を書いてほしいとの依頼が舞い込む。

七転八倒の末、考えだしたのが鏡文字で書く絶縁状である。

鏡文字とは、上下はそのままで左右を反転させた文字であり、鏡に映すと

正常な文字が読み取れる。

(たまに子どもが「く」とか「と」などを逆に書いているのが鏡文字。)

 

    こうなったら、完璧な絶縁状を書きたかった。斧は力いっぱい振りかざさ

    なくては絶ち切れない。

 

と、まぁ物騒な依頼もあったけど、モリカゲさん父子のやさしさに遇う。

 

    私、もうこの記憶だけで、一生、生きていけるかもしれません。

 

そして、厳しかった先代の亡くなったおばあちゃんに手紙をしたためる。

(この文庫の中では、手紙が全て活字体ではなくて、手紙文のまま印刷されている。また、手紙の作法も折々書かれており、参考になることが多い。)

 

                平成30年8月5日 初版発行

                   600円+税

 

 

☆     ☆     ☆

連休の間に読み終える予定だったのに。はや読んでしまった。

辻 仁成 の本でも買ってこなくちゃ。

 

« 「ヘビーヴァース 人間を差し出す歌」『短歌』 2019年5月号 | トップページ | 歌集『さらぬ別れ』園部みつ江 ながらみ書房 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事