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2019年4月14日 (日)

山下翔・歌集『温泉』を読む会&出版お祝いの会

福岡市中央区の「あすみん」にて、歌集『温泉』を読む会があった。

四国や長崎からの参加者、そして版元の現代短歌社の編集人・真野少さんも

駆けつけて、盛会であった。

 

本日のお膳立てをしてくださった竹中優子さんはじめスタッフの方々の心の
籠った手作りの「読む会」になった。受付でひいた籤(栞)には歌1首が印刷
されており、その歌の書かれた席に銘々が座るという形式が珍しかった。

ほぼ全員が必ず1度は発言するということで、いろいろな意見や批評や感想に

耳を傾けた。

 

 

  感情を断言する歌が多い(竹中優子)

  山下さんの時間の向き合い方・自分の在り方(水本)

  食べ物の歌について(南)

  斎藤茂吉の歌を巻頭に持ってきたのはなぜか ? (相良)

  28歳の青年がうたうか?「うどんのつゆにくづれてしまふかき揚げの

      からつとかたしかつて家族は」(古賀)(注、これは否定的意見ではなく

      感嘆だったような)

  ふるさとへの思い(樋口)

  「知らんがな〜」と思うような歌がある。(石井大成)

  「歩く」歌が良い。読み手をかすめていって反射してくる歌が多い。(松本千恵乃)

 

 

そういえば結句に「歩けば」・「歩む」・「歩く」の歌があり、

なかでも以下の「歩く」の歌の「へんなをぢさん」。

  はつなつのわたしはへんなをぢさんなり太き枝細き枝ひろげて歩く

破調だが、決意表明のような以下の歌。

  

      歩く わたしの自由な意思にあらゆるわたしが連携をしてわたしは歩く

       

 

まだまだ色々な批評や感想があったが「ボーっとしていて」書きとれなかった。その中で話題になったのは「山下翔の歌の食べ物は、おいしいか、おいしくないか ? 」とか、「読後、もやもやとしたものが残る」とかが、印象に残った。

 

場所を移しての「お祝いの会」で山下さんが自ら作った「山下翔自筆年譜」を配布。

これは貴重な資料になりそうだ。(「はじめて好きな人に告白。やわらかにふられる。」の

記述あり。(笑))


なお、漆原涼さん編集の「温泉街」(山下翔の短歌を語るときわたしたちがうたうこと)の副題付き。山下さんには当日までナイショで作業を進めた極め付き(笑)の冊子で、山下さんに贈呈。これは『温泉』より各自1首を選び、260字以内の寸評+返歌を付けるというもので、25名が参加。濱松哲朗・山階基・龍翔・生田亜々子・白水ま衣なども参加している。(漆原さん、冊子作りお疲れ様でした。)




そして、中村さんのスピーチには泣いてしまった。

山下さんは、みんなから期待され、愛され、守られていることを痛感。

ゼッタイ歌をやめたらいかん。「やまなみ」を退めたらいかん。(そんな心配は勿論、無用か。)

 

ほんとうにほんとうに良い会でした。

 

             (評と名前の誤記がありましたら、ごめんなさい。)

 

 

☆    ☆    ☆

21時よりNHKラジオ第2放送の文化講演会視聴。

「短歌の明日へ〜日常からの発見」大島史洋・三枝昻之。

これはNHK学園松山市短歌大会(2月23日)の開催のもの。

 

    生活の微妙な機微を掬いとる。

    何でもないことがテーマになり得る。

    生活が歌のなかにくっきりと浮かびあがる。

    短歌だから掬いとれることもある。

 

大島さんの元気な声を聴くことができて、うれしかった。

 

 

       

 

 

      

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