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2019年5月15日 (水)

季節の便り(25) 楝(おうち・センダンの古名)の花

電車で久留米まで。

途中、楝の花に出遇う。あれっ、と声を挙げそうになった。

2本、3本。そして少し走るともう1本の大樹が車窓より見えた。

 

   妹が見し楝(あふち)の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干(ひ)なくに

                    山上憶良(巻五ー七九八)

 

大伴旅人の妻の死に対して、憶良が献上した一首。

淡いむらさき色の小さな花は華やかさから程遠く、従って気品がある。

満開だった楝の花もやがて散る、まだ散ってはいないが、必ず散ってしまう。

(せつない、悲しい歌だ。)

 

 

筑後平野は「麦の秋」であった。平和な田園風景に和んだ。

そして、本日の久留米の温度は30.6℃。

博多よりも久留米の方が暑いのは内陸部ゆえか。

汗ばむ陽気であった。

                 

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