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2019年5月21日 (火)

『短歌往来』2019年6月号 ながらみ書房

6月号は[特集] 「第十七回 前川佐美雄賞発表」・「第二十七回 ながらみ書房出版賞発表」。その前に今号でわたしが瞠目したのは、島田修三氏の連載1ページエッセイの「遠い人、近い人 30」。今号のタイトルは「正しいおばあちゃん」。これがなかなか面白い。

 

   (略)性同一性症候群ならぬ年齢同一性症候群というのが

    あるらしい。実年齢と折合いがつかない。特に老齢を

    認知受容できない。最近の日本人にはこの類の人が多

    かろう。(略)

物議を醸しそうな文章だが、少なからず心当たりがあるので、そうかぁ、そういうことかぁ、そういうことなんだと、首肯せざるを得ない。「年齢同一性症候群」なんて、初めて知った言葉だ。

そういえば、わたしが子どもの頃は60歳くらいの人は立派な(笑)おばあちゃんだったもの。「おばあちゃん」と呼んでも怒られなかったし、本人も、おばあちゃん然と100%していた。

ところが、時代変われば、さて、どうだろう。(もう、このあとなんにも書けない(笑))

 

「第十七回 前川佐美雄賞」は、小島ゆかりさん。

受賞の言葉の中に「(略)わたし自身は、昭和と平成をほぼ三十年ずつ生きて、本歌集の時期に六十代に入りました。(略)」とある。顔写真が掲載されているが、嘘〜と言いたいくらいに若々しい。還暦を過ぎているとは……

 

     この夏の或る日よりわれは祖母になり祖母というものは巾着に似る

     ゆふぞらの犬の太郎よ君の知る少女はおばあさんになつたよ

     五十肩といふといへどもほのかにも若返るなし六十のわれ

     くりかへしどこへ行くかと聞く母よ大丈夫、銀河までは行かない

     母となり祖母となりあそぶ春の日の結んで開いてもうすぐひぐれ

             『六六魚』50首抄より    小島ゆかり

 

歌は、裏切らない?

歌は、しっかり祖母をしている。

歌は、「おばあさんに」なっている。

歌に、生身の人間が出ている。

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