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2019年9月25日 (水)

『犬が見ている』岡部隆志句集  ふらんす堂

2015年、ながらみ書房より『短歌の可能性』を出版している

著者の第一句集である。あとがきによると「(略)私は俳人でもないし、

句会などで句作を続けてきたわけでもない。」と記されている。

俳人でもない著者があえて句集を刊行していたのは、それなりの理由が

ある。それはおいといて、私がこの句集に引き寄せられたのは、福島泰樹

主宰誌の『月光』(2019年6月 №59)の氏の文章(「渡邊浩史歌集

『赤色』の世界」)を読んだ時のひらめき(感動)による。

 

            秋雨やたまには良いことだってある

      天高く誰もが愉快であればいい

    秋天や人の生き死に無きが如

    たましいを込めたつもりだが秋の空

    虫たちよ鳴いてばかりじゃ分からない

    秋めくや書棚の本の自己主張

    秋桜や背の高きから折れていく

    死者の記憶抱え切れずに彼岸花

    犬だけが空を見ている秋日和

    誰も死ぬじたばたするな秋の空

 

先日の小さな旅に携えたこの句集。

従って、秋の句ばかり選んでみた。

何度読んでもいい。何度読んでも心がひりひりする。

そして、氏の「あとがき」の言葉が美しい。

 

    (略)…それにしても日本の自然は優しい。この

     優しさがなければ、私は俳句を作り続けることは

     できなかった。…(略)

 

 

        2018年10月1日 初版発行

           2500円+税

 

 

 

    

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